風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

酸性ホスファターゼとアルカリホスファターゼについて(覚え書きとして)

以下の内容は私の思考過程のものであり間違いが含まれているかも知れません。

アルカリホスファターゼについては、川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』「リン酸化合物を加水分解する亜鉛含有酵素として記されているので解りやすい。
また、ウィキペディアにもアルカリ性条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素である」と書かれている。

 

酸性ホスファターゼについては、ウィキペディア「酸性ホスファターゼは、元来、消化の過程において他の分子から遊離リン酸基を結合させる働きを持つモノリン酸エステラーゼである」と記されているのだが、この「他の分子から遊離リン酸基を結合させる」という言い方が、私にはどうもすっきり理解できない。遊離させるのか、結合させるのか、いったいどっちなんだ?と言いたくなる。結局、一方から他方へリン酸基を切り離して結合させるということか?となる。

しかし、又、別のサイトには「酸性の条件下で体内のリン酸を分解する酵素というふうに書かれている。これだと、リン酸自体を分解するのか?と思う。

何だか私にはどれもすっきり納得できない。

 

もう一つ、北海道大学農学部の研究概要の中に「これらの作物の根から分泌される酸性フォスファターゼは、根圏土壌に含有される有機態リン酸化合物を加水分解にて無機態リン酸を放出し、リン酸吸収を増加させる機能を持つと推定された」と記されたものがある。https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05453155/

また、植物の消化機能について質問したサイトの答には「土壌中では、例えばリンは無機リン酸ではなく、しばしば有機態リン酸の形で存在しています。このままでは、リン酸トランスポーターは、リンを吸収すること ができません。そこで、植物の根は、積極的にクエン酸などの有機酸を分泌して、リン酸イオンを生じやすい環境を根圏(土壌中の根の近傍)に作ったり、酸性 フォスファターゼ(ホスファターゼ)を分泌して、有機態リン酸から無機リン酸を積極的に生じさせたりするようです」と書かれている。https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=1464

 

これらを読んでようやく理解できた気がした。つまり、酸性ホスファターゼは、酸性条件下で有機態リン酸を無機のリン酸に分解するということのようだ。

ウィキペディアにも「酸性ホスファターゼの触媒反応はpH7以下に最適を持つ」と書かれている。ただ、アルカリホスファターゼのように亜鉛含有なのかどうかは記されていないので、解らない。まだそこまで解っていないのかも知れない。が・・、

ふっと、酸性ホスファターゼはマンガン含有酵素なのではないかと思い、検索をかけてみたらいくつか出てきた。

その中の一つには、「本酵素は分子中に金属としてマンガンマグネシウムを含有している。本酵素のキレート試薬による可逆的失活現象から、マンガンは本酵素の活性発現に必須な金属であると推察した」と出て来る。
これは、甘藷からとった酸性ホスファターゼを分析したものである。
甘藷からとった酸性ホスファターゼが紫色をしていることに着目して分析し、「たん白質の分子中に特定の金属を有することによって特有の色を呈するたん白質が多く知られてわり、本酵素の場合もその着色に金属が関係している可能性があるので発光分析法により金属の有無を検べたところ、本酵素分子中にはマンガンマグネシウム、ケイソおよびホウソが検出された」と、記している。https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/31055/02983_%E8%A6%81%E6%97%A8.pdf

 

これらから解ったのは、酸性ホスファターゼもアルカリホスファターゼも、どちらもリン酸化合物を分解するということ。

しかし、体内がアルカリに傾いた状態であっても、亜鉛等の栄養素が欠乏した状態ではアルカリホスファターゼが合成されずリン酸化合物は分解されないと言えるように思うし、また逆に、酸性ホスファターゼを合成する材料が揃っていたとしても、体内がアルカリに傾いた状態では酸性ホスファターゼは働くことが出来ないと言えるのではないだろうか?

 

今後、リン酸化合物のリン酸カルシウム等がどういったpH状態で結晶化してくるのかを調べてまとめたいと思う。

myrtus77.hatenablog.com

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