以下の内容は私の思考過程のものであり間違いが含まれているかも知れません。
ビタミンB6は、皮膚炎を予防することから発見された水溶性のビタミンで、ピリドキシンともいいます。
(略)
抗アレルギー作用 ビタミンB6は、免疫機能を正常に維持するうえで必須の栄養素です。B6が不足するとアレルギー症状が出やすいといわれます。アレルギーは治りにくいものですが、B6をとることでアレルギー症状が軽くなる人もいます。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)
『ヒスタミン不耐性とアレルギー様反応 - 風の匂いの中に』でも書いたが、痒みを引き起こすヒスタミンを分解する過程においてもB6は働いているようである。
ヒスタミンは「アミノ酸の一種であるヒスチジンから生成」される。この時、ヒスチジン脱炭酸酵素が働く。ウィキペディアの「ヒスタミン」の項には、このヒスチジン脱炭酸酵素の補酵素として「ビタミンB6の活性型であるピリドキサールリン酸がある」と記されている。
(略)
上のサイトでは、ヒスタミンを分解する酵素を造る栄養素として、ビタミンB6、ビタミンC、亜鉛、銅、マグネシウムが上げられているのだが、ヒスチジンをヒスタミンに変換する際にも亜鉛は関わっているのではないかと私は考えている。
B6がヒスタミンを分解するのだからB6が多い食品は良いではないかと思えるのだが、これはアルコールの分解が二段階で無毒化される場合と同じで、途中で栄養素が足りなくなれば、ヒスタミンのまま放置されてヒスタミン不耐性の症状が出るということになるのではないかと思う。(『ヒスタミン不耐性とアレルギー様反応』)
ビタミンB6がヒスタミンの分解に関わる場合は、即時型アレルギーを調整するために働くと言えるように思う。
B6(ピリドキシン) ヒトの全酵素二千二百種類のうち、B6は百種類の酵素の補酵素になっている。すべてのアミノ酸の代謝にかかわり、アミノ酸から伝達物質をつくるのにも欠かせない。たとえば、セロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ヒスタミンといった生理活性アミンと呼ばれる伝達物質は、アミノ酸から二酸化炭素を取り除く脱炭酸反応によってできるが、B6がこの反応を手助けする。また、安定した免疫力を保つのにもB6はひつようである。(生田哲=著『心の病は食事で治す』)
免疫細胞も細胞の一種として当然たんぱく質、つまりアミノ酸でつくられていますから、免疫細胞をたくさんつくるためにも、またその働きを活性化するためにも、アミノ酸が必要ということになります。とくに必要なのがグルタミンとアルギニンです。グルタミンは免疫細胞の増殖を促し、アルギニンは異物を攻撃するマクロファージを活性化する働きがあります。次ページの右の写真は、アミノ酸を添加した培養液中のマクロファージが緑膿菌を取り込んでいるものです。左の添加しないものに比べ、マクロファージが活性化されていることがわかります。(大谷勝=監修『アミノ酸できれいになる、元気になる』)
ここを読んで、遅延型アレルギーに関連したT細胞の活性にはアルギニンだけでなくグルタミンも関連していることを知った。
そしてもちろんここでもビタミンB6が働いていると言えるだろう。B6はすべてのアミノ酸の代謝に関わっているのだから。
さらに免疫反応の大元で、リシンと亜鉛が働いていると考えられる。
また、リノール酸からアレルギーを抑制するプロスタグランジンへの変換過程においても、亜鉛、マグネシウム、ビタミンC、ナイアシン、ビオチンと共にビタミンB6は働いている(柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』)。
一方、皮膚の真皮を造るコラーゲンやエラスチンの架橋形成にB6が働くのはリシルオキシダーゼ(リシン酸化酵素)の補酵素としてである。
しかし、免疫機能に働かされて欠乏すれば皮膚細胞を造るために働くことは出来なくなるだろう。さらに、それ以前に欠乏していれば免疫機能も低下することになる。
そしてこのことは他の栄養素にも当て嵌まることだと言える。