風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

好きなコミック『繕い裁つ人』

あなたの子らは久しく荒れすたれたる所を興し、あなたは代々やぶれた基を立て、人はあなたを『破れを繕う者』と呼び、『市街を繕って住むべき所となす者』と呼ぶようになる。(イザヤ書58:12) 

繕い裁つ人というコミックがあって、作者はイザヤ書のこの御言葉を知っていただろうか、と考えていた。

それにしても「裁つ人」というのが意味深長である。

独身の頃洋裁を習っていたが、考えてみれば、この30年スカート一つ作っていなかった。久しぶりにスカートを作ってみて、(アイロンで貼り付けるような簡単便利なものを使用したのが間違いだったと思うが)インサイドベルトをつける側や手順を忘れていて、間違ったまま仕上げた。

こうやって洋裁の真似事をしていると、「裁つ」というのが如何に難しいかということが分かる。間違って裁ってしまえば取り返しがつかないから、私など、「裁つ」までを随分熟考しなければならない。

聖書の中に、「裁」という漢字を使って「たつ」と訳された言葉はないのではないかと思うのだが、「断つ」や「絶つ」は使われているように思う。

わたしはエフライムから戦車を断ち、エルサレムから軍馬を断つ。また、いくさ弓も断たれる。彼は国々の民に平和を告げ、その政治は海から海に及び、大川から地の果にまで及ぶ。(ゼカリヤ書9:10)

 

ふり返れば、これまでの10年を、私は、「繫ぐ」という言葉をテーマにしていたように思える。けれど、これからは「繕う」をテーマにするのかな、という気がしている。

私は夫に、「今度教会を変わるときは、牧師館ではなく外に家を借りて住むことを条件にする」と言っていたのだった。しかし、新しい教会は牧師家族のために外に部屋を借りる経済力は持っていないということだった(家のローンを組んでいなければ、頂いた謝儀で家を借りることは出来た)。けれど、この教会は、夫が病気をしたにもかかわらず、夫に牧師として来て欲しいと言ってくれ、夫の説教を聴きたいと言ってくれたのだった。そして、引っ越す前に私の身長に合わせてキッチンの流しなどを取り替えて下さっていた。だから、私はここで、出来る限り「繕い」ながら住みたいと考えている。

 

meromeropy77.hatenablog.com