風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

スーパーオキシドが血管拡張物質である一酸化窒素と結合し血圧を上昇させる(『亜鉛の機能と健康』)

フリーラジカルのひとつであるスーパーオキシドが血管拡張物質である一酸化窒素(NO)と結合し血圧を上昇させる。亜鉛欠乏状態では活性酸素消去酵素のひとつであるスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性が低下する。(『亜鉛の機能と健康』) 

「このところ2回目の血圧の方が高く出る」と言っていた。

筋肉を圧迫すると血管拡張物質の一酸化窒素が放出されるので血圧が下がるというのが通説だろう。だから血圧を続けて2回測定して低い方を取ると良いなどと言われたりする。しかしそれは、上に引用した『亜鉛の機能と健康』の記述を見ると、活性酸素消去酵素を合成する亜鉛等の栄養素が足りている場合のことであるように思われる。

 

一酸化窒素の合成量が亜鉛(あるいは銅)を上回る場合は、活性酸素が生じて、2回目の血圧は高くなるだろう。

アルギニン「血管を広げて血液を通りやすくするために、重要な役割を果たします(血管を広げるために必要な一酸化窒素はアルギニンから作られます)。からだの余分なアンモニアを除去するのに有効なアミノ酸です。免疫機能を高めることが報告されています。」「ごま、にんにく、大豆、枝豆」(これについてはどこからメモしたのか分からない)

ここに記されている「大豆、枝豆」などはアルギニンも多いのかも知れないが、亜鉛に対する銅の割合も高い。こちらに来てから、近くのスーパーで出ている「ずんだのお萩」をちょこちょこ買って来ては食べていた。アルギニンや銅の摂取によって亜鉛が負けている状態だったと考えられる。

9月末の検査で夫の体内亜鉛が足りていないと分かって亜鉛の多い物を摂るように考えて来た。しかしその後も、2回目の血圧の方が高くなるということがあって、どういう物を食べた後にそうなるのかを考えた。

2回目の血圧の方が顕著に高くなったのは、ホッケの焼いたのとスルメの照り焼き串を主に食べた翌朝と、夕食でビーツ入りのビーフシチューを食べた夜遅くに測った時だった。

先ず、ホッケは亜鉛と銅の割合が16:1で亜鉛の割合が高いと思い献立に選んだのだが、亜鉛含有量はそれほど高くない。そして、後で調べて分かったことだがアルギニンの含有が比較的高かった。

スルメ烏賊は亜鉛の含有は割合に高いのだが、銅との比率としてはこれも良くない。そしてこれも後で調べて分かったのだが、アルギニンの含有が高い。

よって、亜鉛が十分でなく、一酸化窒素を造るアルギニン含有が多かったために2回目の血圧の値が高く出たと言えるように思う。

 

さて、ビーツ入りのビーフシチューだが、

https://blog.goo.ne.jp/fukiya-kurabu/e/90f6ea305a012b2cd8d3dbef5467bf1b
赤ビーツが注目されたのは硝酸塩を多く含むからで、硝酸塩とは灰汁(あく)のことで、野菜のえぐみ成分になります。
近年の研究で一酸化窒素(NO)を作り出す手助けをする物質であることが分かりました。
(略)
 ●一酸化窒素(NO)の効果
一酸化窒素(NO)の効果は、ズバリ「血管を丈夫にしながら広げる」こと。
血管が丈夫になれば血流が増え、高脂血症血栓などの成人病などが減ります。
特に女性の場合、万病の元である冷えを改善することで新陳代謝がアップし、美肌や美ボディ作りにも一役買います。
血管が丈夫な方ほど、見た目が若いという研究結果もあるように、
血管の状態が良ければエイジングケア効果も高いということです。
 一酸化窒素(NO)は私達の体内で作られますが、年齢と共に生産量が下降してしまいます。
それを助けるために必要なのが赤ビーツに含まれる硝酸塩なのです。》
赤ビーツは、赤ビーツと呼ばれる他に、テーブルビーツ とか単にビーツとも、また、スビョークラとも呼ばれている。

ここにリンクした記事には良いことばかりが書かれているようなのだが、一酸化窒素の効果を発揮させるためには亜鉛や銅との割合を考える必要があると思われる。

 

スーパーで下ゆでしたビーツを買ってきて、初めて使ってみたのだった。

シチューに入れる前に袋から出して一切れ食べてみた。エグミがあるのか、消化管を通って行かないような気がした。けれどシチューの味付けをすれば食べられるだろうか?と考えて使った。

後で『野菜の便利帳』で調べると、「ほうれん草と同じアカザ科の野菜です」と書かれていたので、やはり灰汁が多かったんだ、と思った。 

https://nutmed.exblog.jp/23785658/(臨床栄養士)
ベタレインには細胞の営みには不可欠である、窒素の源である硝酸塩が豊富に含まれていることです。硝酸塩の供給量が増加することによって、筋肉が運動で必要とし、ミトコンドリアでエネルギーを生産する際に不可欠の酸素の使用効率が格段に向上します。これは、同じ運動であった場合、筋肉の稼働に必要な酸素量が 少なくても、同じパフォーマンスが得られることで、つまり、有酸素運動エンデュランスのような持久力を求められる運送のパフォーマンスを向上させること につながります。

エビに多く含まれるベタインとかベタレインというものがビーツに多く含まれているということは随分以前から知っていて、これについていずれ調べなくてはと思っていたのだった。ビーツとは甜菜と同じ仲間で、うちでは昔から甜菜オリゴ糖を良く使用していたからなのだが・・。

牛肉には亜鉛が多いが一酸化窒素を造るアルギニンも多く含まれている。この牛肉のアルギニンとビーツの硝酸塩が相まって、この日の夕食では亜鉛より一酸化窒素の方が上回ったと考えられる。

 

さて、問題はタウリン食材として摂っている食材の殆どが(牡蠣だけを除いて)アルギニン含有が高いということなのだ。困った!

もう一つ問題なのは、タウリンも一酸化窒素と同じような働きをしているのではないかということなのだ。

 高血圧症に運動療法が効果的であることはよく知られていますが、この運動療法にもタウリンが関係しています。高血圧症患者に1日60分の運動を週3回、10週間実施した結果、血圧が低下しました。この時に血中のタウリン量も増加したことが報告されています。すなわち、運動によって増加したタウリンが血圧を低下させた可能性があります。(『読んで効くタウリンのはなし』)

 

・細胞膜内外を移動するカリウム、ナトリウム、カルシウム、及び、マグネシウムの働きを助け神経伝達機能を向上させる(亜鉛タウリンの持つこの機能を促進させる)
https://nutmed.exblog.jp/22781917/

これらをつなぎ合わせて考えると、タウリンも摂りすぎれば亜鉛を消費し、亜鉛の欠乏を招くと言えるように思う。

 

以下は、リンクによるメモ。 

http://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/127_10/pdf/1579.pdf
もう1つのメチル化酵素であるBHMTはベタインをメチル基供与体としてメチオニンを生成する.一方,イオウ転移経路では,シスタチオニン-b-シンターゼ(CBS)によりホモシステインはセリンと縮合してシスタチオニンを形成し,ついでシスタチオニン-g-リアーゼ(CGL)により加水分解されてシステインと2-オキソ酪酸になる.CBS, CGLはともにビタミンB6を補酵素として要求する.

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/nl2008jsce/34/130/34_130_137/_pdf/-char/ja
尿素のほかにも、トリメチルアミンオキシド(TMAO)やベタインといったメチルアミン類を持つ。浸透圧を高く維持することにより、体内の水分を奪われる危険性が無くなるだけでなく、浸透圧差によって逆に外界から体内に水が少しずつ流入してくる。すなわち、海という高塩分・高浸透圧環境でも、軟骨魚類は水を容易に得ることができる。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%A2%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%88
オスモライト(英語: osmolyteあるいは、浸透〔圧〕有効物質、浸透〔圧〕調節物質)は、生物において主に浸透圧を調整する化学物質である。細胞においては細胞外部の浸透圧ストレス(浸透圧勾配)による水の流入あるいは排出に対し細胞容積を保持する機能がある一方で、広範囲の濃度域にわたり酵素などのタンパク質の構造や機能を安定して機能させタンパク質を変性から守る働きもある。
高濃度の塩化ナトリウム (NaCl) や尿素などにさらされる哺乳類の腎髄質 (renal medulla) ではソルビトール、ベタイン、イノシトールタウリンやGPCなどが主にオスモライトとして利用されている。

 

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3
(ベタイン)生体物質としてはカルニチン、トリメチルグリシンプロリンベタイン(C10172)などがある。元来はトリメチルグリシンのこと(テンサイ Beta vulgaris から得られたため命名された)だったが、現在はこれを含めて類似構造を持つ、アミノ酸のアミノ基に3個のメチル基が付加した化合物の総称としても用いられ、化学者には上記の定義の化合物の総称として使われることが多い。コリンの代謝により生成され、動脈硬化の危険因子であるホモシステイン代謝に関係することから、遺伝的にホモシステイン代謝がうまくできない 「先天性ホモシステイン尿症」 患者に対しては、医薬品として用いられる。