風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

新しく買った本の中に銅について記された部分があった(痛風と心不全に関連して)

新しく買った本の中に銅について少しだけ記されていたので、メモっておこうと思う。

 銅は、ミトコンドリアの酸化的リン酸化反応、フリーラジカルの除去、色素形成、神経伝達物質の合成、鉄代謝など多くの銅依存性の生体反応に必須の栄養素である。ヒトでは体内に70~100mgの銅が存在する。銅は、1日に2~5mg消化管より吸収される。血清中の銅の70%はセルロプラスミンに結合し、残りはアルブミンヒスチジンなどと結合して循環している。各臓器の細胞が利用できるのは、これらの非セルロプラスミン結合銅である。銅は必須の栄養素であるため輸送系の障害により消化管からの吸収や組織への移行が障害されるとメンケス病と呼ばれる銅欠乏症を呈する。一方、過剰の銅は生体にとって有害である。銅の輸送系の障害により銅の排出機構が障害されるとウィルソン病と呼ばれる銅過剰症を呈する。このように生体内にとってわずかな量ではあるが、銅の過不足は生体機能の恒常性維持に重要な役割があり、その代謝動態は、主にトランスポーターの働きによって調節されている。(日本栄養・食糧学会=監修『栄養・食品機能とトランスポーター』(建帛社)より抜粋引用)

 

過去記事「亜鉛や銅を効率よく働かせるために・・」でリンク引用した内容と少しずれている。どちらが正しいかをはっきりさせるということではなく、こちらの場合ではどうなるかと考えてみる。

過去記事で引用したものには「銅を全身の臓器に供給する役割は、アルファミンやヒスチジンなどであり」と書かれていたのだが、こちらではアルブミンヒスチジンなどと結合して循環している」と記されている。単なる「アルブミン」の入力間違いかもしれないが・・。

 

アルブミンヒスチジン」ということになると、亜鉛が大きく関わってくると言える。

亜鉛アルブミンと結合して全身の臓器に運ばれる」http://www.jscn.gr.jp/pdf/aen20170613.pdf)のであり、「動物性蛋白質(ヒスチジン,グルタミンなどのアミノ酸)…などは亜鉛の吸収を促進する」http://www.jscn.gr.jp/pdf/aen20170613.pdf)からである。

亜鉛を摂り過ぎると銅が欠乏するというのはこういったところの影響が考えられる、と思う。

 

この本はタイトルからも分かるようにトランスポーターについて書かれたものなのだが、銅のトランスポーターについて、この後には「ヒトCTR1は、190個のアミノ酸からなり」と書かれていたり、「エネルギー非依存性でカリウム依存性であることが示されている」などと書かれているのだが、どういったものなのかは読んでもよく分からない(笑)。

 

しかし、納豆のように銅が割合多く含まれるのに、それ以上にモリブデンが多く、ビタミンB2も多く、システインが多い場合はキサンチンオキシダーゼ合成のためにそれらの栄養素が使われ、シトクロムC酸化酵素を合成する銅タンパク質が造れず、結果銅が蓄積されるということが起こってくるのではないかということだけは考えられる。

また、キサンチンオキシダーゼ合成には鉄も必要なので、そちらで鉄が使われると、銅が鉄の酸化のために働けず、蓄積され、貧血が起こると考えられないだろうか?

 

トランスポーターの欠損によって欠乏症や過剰症が起こると書かれているのだが、体内の栄養素のバランスが崩れること、それが長期間続くことで病が発症すると私は考えている。

 

この本の最後の部分には以下のように記されている。

ATP7AおよびATP7Bは消化管や肝臓、腎臓だけでなく、全身への銅輸送にかかわる重要なトランスポーターである。さらには、CTR1と同様にシスプラチンの輸送も行うことから、薬物代謝にも重要であることが明らかとなってきている。(日本栄養・食糧学会=監修『栄養・食品機能とトランスポーター』(建帛社)より抜粋引用)

今後、この部分について考えていきたい。