昨日のブログ「群ようこ=著『ゆるい生活』から(副腎皮質ホルモンの働きについて)」の続きを娘の皮膚に戻って考えていた。
鶏モモ肉に含まれるパントテン酸によって合成を促される副腎皮質ホルモンの働きで水分が調整されるのだろうと考えていたのだが、それもそうだとは思うが、その前に、パントテン酸によってエネルギーが生成されることでカリウムが細胞内に入るということが皮膚にとっても良い結果をもたらすのではないかと思った。
パントテン酸
エネルギー産生のほか、ストレスへの抵抗力をつけるために不可欠なビタミンです。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)
パントテン酸は、その生理作用から、不足すると組織中のコエンザイムAの濃度が低下し、エネルギー代謝やコレステロール生合成において障害が引き起こされる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』)
カリウムが細胞内に入るには、エネルギーが必要である(能動輸送)。
ほぼベジタリアン生活をおくっておられた『ゆるい生活』の著者の群ようこさんは目眩が酷くなって漢方薬局を訪れるのだが、そこで最初に言い渡されるのが甘い物断ちであった。
「甘い物は体を冷やすから、食べ過ぎるのはよくないんですよ。水を取り込む性質があるので。(略)水が滞りがちな体質の人は、まったく摂らないのもいけないですが、できるだけ少なくしたほうがいいです」
私がまんじゅう六個やチョコレートの話を白状すると、
「あなたのような水はけが悪い体質で、それは論外です」
糖質はエネルギー源となるが、エネルギー源がたくさんあってもパントテン酸がなければエネルギーを造ることはできない。エネルギーが造られなければカリウムは細胞内に入れない。ナトリウムが細胞内に入るのは受動輸送であり、細胞外に出るためにはエネルギーを必要とするから、エネルギーが造られなければ、本来細胞内にあるべきカリウムが細胞外に増え、細胞外にあるべきナトリウムが細胞内に増えて水分バランスが崩れる。
カリウムの多い野菜ばかりを食べてエネルギーを生み出す栄養素を摂取しなければ、水分バランスが崩れてむくみが生じ、それによって神経などが圧迫されて痛みや目眩が起こってくる、ということではないだろうか。
また、ブドウ糖はナトリウムがなければ腸管からの吸収がなされないから、エネルギー源は摂っていても有効に使われないということになる。そして摂れば摂るほど、それをエネルギーに変えるための栄養素が必要となる、ということだろう。
カリウムが細胞内に多くあり、ナトリウムが細胞外にあって適切な水分バランスを保つためには、エネルギーを生み出す栄養素が必要だということだ。
パントテン酸を多く含有する食物として、アボカド(VE、パントテン酸)、サツマイモ(VB6、パントテン酸)等がある。
娘は、時折、サツマイモを朝食にしている。パン等を食べるよりサツマイモの朝食の方が良いかもしれない、娘にとっては。
けれど、副腎皮質ホルモンの合成を促すためには、サツマイモではどうだろうか?
鶏モモ肉には、副腎皮質ホルモンを合成するための栄養素がほぼ全て含まれているのではないかと思う。ホルモンの原料となるコレステロール、ホルモン受容体を形成する亜鉛、B群の栄養素等をたっぷり含有している。そういう意味で、動物性食品は優れている、と言える。