風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

カルシウムとビタミンKについて(リンクによる覚書)

① 細胞の生存や増殖に大切な働きをする
白血球やリンパ球が異物(体に悪さをする病原菌など)を捕えるのに関与し、細胞の外からCaが入ることが刺激となって白血球などが働きます。

⑥ 免疫細胞でサイトカイン(相互連絡物質)を作る
リンパ球が異物を攻撃する際に細胞同士が連絡を取り合って攻撃します。
この時の連絡物質がサイトカインで、各々の細胞の中で作られます。

⑦ 血液凝固に関係する
血小板が壊れることで血液凝固の作業が始まり、いくつもの段階を経て血餅(けっぺい)が出来、血が固まるのですが、この時にもCaが働きます。
老化や病気に関してもカルシウムのアンバランスにより説明が出来るともいいます。

<カルシウム濃度は一定に保たれる>
血液中のCa濃度を一定に保つ為に副甲状腺ホルモンの刺激で骨からCaを引き出してまで濃度を保とうとします。これにより血中Ca濃度は保たれますが、細胞の中にCaがあふれてしまうという結果になります。
細胞の内外では1:10000というCa濃度でバランスが取れているのですが、このバランスが結果的に崩れてしまうのです。
このように摂取量が減少すると返って細胞の中にCaが増加するという一見矛盾した現象が起きるのです(カルシウム・バラドックス)。不足した場合は骨から溶かし出してまで濃度を保とうとする、その他の栄養素とは全く違うシステムがあるという事はそれほど生命の維持に重要なものだということが出来ます。

<悪玉・善玉カルシウム>
口から体内に入るCa(経口Ca)は腸管から吸収されるのですが必要以上には吸収されないのです。吸収されない分はそのまま対外へ排泄されてしまいます(善玉)
これに対して骨から解けだしたCa(経骨Ca)は必要以上に解け出してしまい、余分になったCaは血液中に存在できず本来入ってはいけない血管・脳内・細胞内などに入り込み、これが健康を脅かしたり生命をも奪ってしまうことになるのです(悪玉)

<色々な病気にCaが関係する>
前述したように細胞の内外でのCa濃度の仕率(1:10000)のバランスが崩れた時に神経細胞や各細胞の働きが低下・混乱します。崩れる原因が慢性的なCa不足によるものであり、これが色々な病気の誘因になっていると考えられています。

http://www.wa.commufa.jp/~kou-bs/kawaraban/calcium/calcium.htm

 

細胞外からのカルシウム流入が、アレルギー反応を引き起こす

http://www.ims.riken.jp/pdf/20071203_1.pdf

アレルギーを起こす物質(アレルゲン)が一度体内に侵入すると、このアレルゲンに特異的に反応する抗体IgEが作られます。IgEは、普段、肥満細胞上のIgE受容体と結合しており、この状態を感作とよびます。そして、同じアレルゲンが再び侵入すると、肥満細胞表面の特異的なIgEと反応し、その結果、肥満細胞が活性化して化学物質を大量に含んだ顆粒や炎症性サイトカインを放出します。顆粒放出は、既に合成していた顆粒を細胞外に放出する即時的な反応ですが、サイトカインは、刺激によって初めて新たに合成され、その後、細胞外に分泌されるので、分泌まで時間がかかります。即時型アレルギーに関与するのは主に脱顆粒となりますが、サイトカインによる免疫細胞の遊走、炎症反応も関与します。それらの化学物質によって発赤、かゆみ、平滑筋の収縮といったアレルギー炎症反応が起こります。これまで、肥満細胞からの顆粒放出には、細胞質内のカルシウム上昇が関わっていることが指摘されてきました。細胞質内のカルシウム上昇には、大きく分けて二つの経路が考えられます。一つは、細胞内のカルシウム貯蔵庫である小胞体※5から迅速かつ一時的にカルシウムを放出する経路で、もう一つは、小胞体内のカルシウムが低下したことが引き金となって、細胞膜上のカルシウムチャネルを介して細胞の外部から持続的にカルシウムが流入(ストア作動性カルシウム流入)する経路です(図1)。肥満細胞の顆粒放出には、これら二つの経路のうち、どちらが重要で、その制御はどのようになっているのか、という具体的なメカニズムはこれまで不明なままでした。

STIM1は、全身の細胞で発現している分子です。これまで、このタンパク質には、小胞体のカルシウム濃度が低下するとそれを感知し、細胞外からのカルシウム流入を開始させる、カルシウムセンサーのような役割があると考えられてきました。そこで、研究チームは、STIM1に注目し、肥満細胞での機能を解析することにしました。

(略)

さらに、このSTIM1欠損肥満細胞は、顆粒放出および炎症性サイトカインの産生も著しく障害していました。

 

ビタミンKと炎症との間に逆の相関がありビタミンKが多いと炎症マーカーが低くなるとするコホート研究がある。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

骨強度には、これらのホルモンに加え、ビタミンD、K、C、運動などが関与している。

 適度な運動やトレーニングは、骨芽細胞を活性化し、リモデリングのバランスを骨形成方向に引き寄せ、骨量を増加させる。その効果は、持久力より瞬発力を要求する運動のほうが高いとされている。一方、運動不足や無重力環境では、骨吸収が骨形成を上回り、骨密度が低下する。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p191)

 

 カルシウムの吸収と排泄には、さまざまなビタミンが関与している。活性型ビタミンDは、カルシウムとリン酸の腸管での吸収を高め、腎臓でのカルシウムおよびリンの再吸収を促進するとともに、骨吸収を促進して、血中カルシウム濃度を調節している。また近年、ビタミンKの投与はカルシウム排泄を抑制し、腸管からのカルシウム吸収を促進する可能性があると報告された。(p202)