風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

免疫反応についてのメモとリンクによる覚書

 よく「花粉症は免疫が弱っている」と考える方がいらっしゃいますが、実際には免疫が弱っているのではなく、過剰に反応し過ぎている状態です。花粉という敵の攻撃「1」に対して、本来免疫の反撃「1」でいいはずです。しかしこの免疫の反応がおかしくなっている人は、敵の攻撃「1」に対して、「全軍挙げての総攻撃」をしているわけです。そのため、鼻水や咳が止まらなくなったり、熱っぽくなったりするのです。
 なぜ免疫があんぽんたんになってしまうのかは、現代医学ではまだはっきりとわかっていません。(櫻井大典=著『まいにち漢方』p46(ナツメ社)より)

 

リゾチームとは、真正細菌細胞壁を構成する多糖類を加水分解する酵素である。この作用があたかも細菌を溶かしているように見えることから溶菌酵素とも呼ばれる。ヒトの場合涙や鼻汁、母乳などに含まれている。工業的には卵白から抽出したリゾチームが食品や医薬品に応用されている。(略)
グラム染色陽性の菌(以下グラム陽性菌)に作用し、グラム染色陰性の菌(以下グラム陰性菌)には作用しない。(略)
塩化リゾチーム(リゾチーム塩酸塩)は、グリコサミノグリカンを分解する作用があるとして日本でも医薬品として主に風邪薬、副鼻腔炎向けなどに広く用いられていたが、有効性が確認できないとして製造販売を行っていた各社は、2016年3月販売中止と回収を発表した。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%BE%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A0

  

感染時には、一般に白血球が増加します。(特に増加しているのは防衛第一線に活躍する好中球で、幹細胞が繰り返し分裂分化し、大量に血中に放出されます)。(『目でみるからだのメカニズム』p15)

 

気道粘膜では、線毛運動による異物排除。分泌液中のリゾチームによる殺菌作用。(略)

バリアを破って病原体が侵入すると、その局所では急性炎症反応を起こして血管が拡張し、白血球などが血管外に出て細菌や異物と戦います。

好中球 感染後約2時間で血中に増加し、(略)

単球 好中球より遅れて局所に集合、第二線をはります。異物処理(好中球に次いで活発な食作用を持つ)によって得た、その異物についての情報、いわば指名手配者の人相書のようなものを、免疫担当細胞のT細胞とB細胞に伝えます。

単球は、組織ではマクロファージに転化、マクロファージは、プロスタグランジンと呼ばれる物質を産生して、リンパ球の機能を抑制することもあります。(p18)

 

高齢者の必要量は成人より低く設定されているが、膵液への亜鉛排出量には老若差が認められないのに対して、加齢とともに亜鉛の腸管吸収率は低下するので、高齢者ではむしろ成人の必要量より多く20mg程度を摂取する必要があると考えられる。(『亜鉛の機能と健康』p79)

 

 高齢者では感染に対する抵抗性が弱く、容易に呼吸器感染を起こし急激に重症化する。肺炎は常に高齢者の死亡原因の上位を占める。

 高齢者による感染症の頻度を二重盲検法により亜鉛投与群と非投与群で比較した成績によると、上気道感染、感冒などの呼吸器感染の頻度は亜鉛投与群で有意に低く亜鉛投与により呼吸器感染が予防できる可能性を示している。(p80)

 

高齢者では血清亜鉛濃度が低下し、血清グルココルチコイド濃度が(夜間において)上昇する。高齢者のうつ症状に亜鉛不足が関与することが考えられる。(p142)

   

結果は、亜鉛欠乏が、6時間のPMA / p-フィトヘマグルチニン(PHA)刺激後のHUT-78および6時間のPHA /イオノマイシン後のD1.1細胞におけるIL-2およびIFN-γサイトカインおよびmRNAのレベルを減少させたことを示しています亜鉛十分な細胞と比較した刺激。ただし、亜鉛欠乏は、亜鉛十分な細胞と比較して6時間のPMA刺激後、HL-60細胞のTNF-α、IL-1ベータ、およびIL-8サイトカインとmRNAのレベルを増加させました。(https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/12812920

  

胸腺は二次リンパ器官の一つで,ナイーブT細胞が自己及び非自己の識別を獲得するための必須の組織である。先に述べたように,亜鉛欠乏によって,胸腺の萎縮が観察される。この萎縮には亜鉛欠乏によって,副腎皮質からの分泌が亢進される血中のグルココルチコイドが関わっている可能性が示唆されている。事実,グルココルチコイドの分泌亢進を抑制するために,副腎摘出手術を施したマウスでは亜鉛欠乏による胸腺萎縮が軽減された(12)。また,グルココルチコイドは胸腺のナイーブT細胞にアポトーシスを誘導する(5)。現時点で,亜鉛欠乏によって分泌亢進したグルココルチコイドによって胸腺のナイーブT細胞が減少することで,胸腺萎縮が観察された可能性が考えられた。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/68/3/68_145/_pdf

 

 

 

 

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