風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

酸化還元補酵素のビタミンKが増えすぎると・・?(リンクとメモによる考察)

1、ビタミンKは、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)により還元されビタミンKヒドロキノンになる[15]。

2、ガンマグルタミルカルボキラーゼがビタミンKヒドロキノンをビタミンKエポキシドに酸化して、同時にタンパク質中の特定のグルタミン酸残基をカルボキシグルタミン酸に修飾する。

3、生じたビタミンKエポキシドはVKORによってビタミンKに戻される。

これをビタミンKサイクルと呼び、このサイクルが常にビタミンKを再生するのでビタミンKは欠乏しにくい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

これを読んで思ったのは、「ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)」を合成する栄養素が途中で不足すれば、ビタミンKは還元型かあるいは酸化型のどちらかに留まったまま蓄積するのではないか、ということであった。

 

ピロロ・キノリンキノン(PQQ =Pyrroloquinoline quinone)は酸化還元反応に関与する電子伝達体です。1964年にJ.G. Haugeらにより、細菌のグルコース脱水素酵素に含まれるニコチンアミドとフラビンに次ぐ3番目の酸化還元補酵素として見出されました。PQQ必須アミノ酸であるリジンの分解に関わる酵素を助けています。PQQを含まない餌を与えたマウスは、成長が悪く、皮膚がもろくなり、繁殖能力が減少します。

ちなみに脂溶性ビタミンのビタミンKはキノイドの一つです。天然のものはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)があります。
ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、ビタミンK2は腸内細菌から生産されます。これらは血液凝固や丈夫な骨づくりに不可欠です。

このようにキノンは生物学的に重要な物質です。キノンは光合成の光化学系I・光化学系II などの電子伝達系において、電子受容体としての働きをしています。光化学系I には2対のフィロキノン、光化学系II には2対のプラストキノンが存在します。http://levin2018.xsrv.jp/wp/%E3%83%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%81%8C%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B/

 

うちで、ナイアシンを摂り過ぎて心不全に至ったように、ビタミンKも摂り過ぎることで不具合を起こすのではないかと思える。とりわけ溶血性貧血では、赤血球の酸化がビタミンKの蓄積に関連しているように思われる。

ビタミンK1とK2の過剰症はほとんど起こることはない。しかし、新生児では溶血性貧血や核黄疸、成人では呼吸困難や貧血が生じる場合もあるとされる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p152)

 

溶血性貧血:赤血球の破壊によって起きる貧血の総称。赤血球は不飽和脂肪酸の膜で覆われており、活性酸素によって酸化すると赤血球膜が破れて赤血球が破壊され、貧血を引き起こす。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p149)

 

また、「ピロロ・キノリンキノン(PQQ)は必須アミノ酸であるリジンの分解に関わる酵素を助けています」と記されていることから、リジンとビタミンKの摂取量が関連すると考えられる。

リジンは、コラーゲンを形成する銅要求酵素リシルオキシダーゼによって脱アミノ化される大元で必要なアミノ酸である。ここで、リジン、ビタミンK、銅が関連付けられるように思われる。

 

通常、血管に傷がつくと、傷ついた部位のコラーゲンが露出し、その部分にフォンビルブランド因子(vWF)が結合する。そこに血小板がGP1b・GP2b/3aといった糖タンパク質を介して結合(血小板の粘着)、それにより血小板は活性化し、ホスホリパーゼCの活性化を介したアラキドン酸カスケードを進行させて血小板のさらなる凝集を促進、一次止血が完成します。

(略)

血液凝固反応は、血小板による一次止血で終わるわけではありません。外因系と内因系の2経路で血液凝固因子による二次止血がその後に起こります。

(略)

内因系の凝固反応は、プリカリクレイン、高分子キニノーゲン、ⅩⅡ因子やⅩⅠ因子といった接触因子が、主にコラーゲンのような陰性荷電物質に接触することで活性化され、その後のⅨ因子、Ⅷ因子の活性化から、Ⅹ因子を活性化し、それ以降は外因系と同じ経路にて凝固反応を進行させる。(https://kanri.nkdesk.com/drags/kesen.php

 

また、血液凝固反応ではグルタミン酸が重要となる。

γ-カルボキシグルタミン酸リッチ(gamma-carboxyglutamic acid-rich、Glaドメインには、多数のγ-カルボキシグルタミン酸残基が存在している。Glaドメインは10を超える既知のタンパク質に存在しており、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS(英語版)、プロテインZ、プロトロンビン、トランスサイレチン(英語版)、オステオカルシン、マトリックスGlaタンパク質(英語版)(MGP)、ITIH2(英語版)(inter-alpha trypsin inhibitor heavy chain H2)、GAS6(英語版)(growth arrest-specific protein 6)などが含まれる。Glaドメインはカルシウムイオンに対する高親和性結合を担う。カルシウムへの結合はタンパク質の機能に常に必須であり、多くの場合で立体配座の維持にも必須である[3]。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%93-%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%85%B8

 

アミノ酸、ミネラル、ビタミン、エネルギー源となる糖質、脂質、水。

これらの栄養素が過不足なく摂取されることで生体は保たれていると言える。