『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2020年8月号より、1週間の期間限定で抜粋版をお届けする。
https://www.dhbr.net/articles/-/6882
いまこそ、地球のOSを書き換えよ
建築家、隈研吾インタビュー 「 箱の中での暮らしから自然との共生へ」
隈:コンクリートの建築が象徴するのは、建物の大きさに価値を見出す「大箱志向」とも呼ぶべき思想です。これは僕たちが暮らす社会に、さまざまな負荷を与える要因となっています。
大箱志向の歴史を遡ると、(略)
(中略)
コンクリートの大箱は、内と外の境界をはっきりさせます。そうして人間は箱の内側の環境整備にしか関心を持てなくなり、その負荷を箱の外側に排出するようになりました。すると空気は汚れ、箱の外の気温は上がります。地球環境は悪化をたどり、気候変動の重大な原因の一つになりました。地球温暖化という表現自体、人間が箱の外だけを見ている証ではないでしょうか。箱の中は常に、冷暖房で快適さが保証されているのですから。
人間は自然を完全に制御できたかのように錯覚していますが、それは箱の中の閉じた空間だけの話です。箱の外の自然を一方的に破壊し続けてきたのであり、それではとても自然を制御したとはいえません。
空調の問題に限らず、建物の内側の環境だけをよくすればいいという思考が、あらゆるところに広がっています。僕はそれを「大箱的思考法」と呼んでいますが、箱の中さえよければいいという考え方が、人間の生き方そのものになっているように思えます。
インタビュー全文を読みたくて、『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2020年8月号を買ってきた。