風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

コロナウイルスとアトピー性皮膚炎と癌(アトピーとの闘い最終章)

 

スーパーオキシドディスムターゼ
がん細胞では活性酸素が高頻度に産生されており、SODの阻害に感受性を示す場合があるため、抗がん剤の標的として研究が行われている。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BC

 

長らくここに書かれていることが理解できないでいた。「がん細胞では活性酸素が産生されて」いると書かれているのに何故その活性酸素(スーパーオキシド)を消去するSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)を抗がん剤の標的とするのか?と。

 

 

免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム― - 生理学研究所

https://www.nips.ac.jp/sp/release/2012/04/_trpm2.html

免疫を担い病原体や異物と戦うマクロファージは、感染がおこった場所でまっさきに病原体や異物を食べて戦います。その際、マクロファージは殺菌のために活性酸素を産生しますが、活性酸素の殺菌以外のはたらき、とくに体温を感じる温度センサーとのかかわりは知られていませんでした。(略)免疫反応によって産生される過酸化水素活性酸素の一種)によって温度センサーであるTRPM2(トリップ・エムツー)が体温で活性化するようになる仕組み、そしてTRPM2が体温を感じてマクロファージの働きを調節する仕組みを明らかにしました。

 

ここに記されているのは、「病原体にたいする免疫反応で過酸化水素が産生される」と、体は熱を発して、その発熱によってさらに免疫反応を高めるということである。

 

過酸化水素はスーパーオキシド(活性酸素)がSODによって消去された後に生じる。

活性酸素は、ウイルスなどの病原体の侵入がなくても息をしているだけで常に体内に生じている。が、紫外線やストレス、激しい運動など生じやすい要因が増幅すれば、「高頻度に産生」されることになる。

また、これを消去するSODを構成する栄養素を高濃度に摂取すればSODが産生され、スーパーオキシドが消去され過酸化水素が生成されるということになると考えられる。

 

 

亜鉛を含むMTはanti-oxidantとして防御的に作用するが,亜鉛を含まず銅のみを結合するMTは,さらなる銅の蓄積により,1価の銅を放出するためpro-oxidantとして働き,hydroxyl radicalsを発生させることが肝炎,肝がんの原因となると考えられている(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjh/69/2/69_136/_pdf

 

ヒドロキシルラジカル (hydroxyl radical) はヒドロキシ基(水酸基)に対応するラジカルである。•OH と表される。いわゆる活性酸素と呼ばれる分子種のなかでは最も反応性が高く、最も酸化力が強い。糖質やタンパク質や脂質などあらゆる物質と反応する。しかし、その反応性の高さゆえ通常の環境下では長時間存在することはできず、生成後速やかに消滅する。
過酸化水素への紫外線の照射や、酸性条件で過酸化水素と二価の鉄化合物を触媒的に反応させる方法(フェントン反応)によって生成される。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%89%E3%83%AD%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%AB%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB

 

つまりSODによって消去されたスーパーオキシドから過酸化水素が生成され、過酸化水素からヒドロキシラジカルが発生することで細胞を傷害し、がん細胞を生み出すということのようだ。だから、SODが抗がん剤の標的とされるのである。

 

アトピー性皮膚炎もこの活性酸素で炎症を起こしている状態だと考えられないだろうか?

白澤:Th2が優位になると、発がんの危険も増えるんですよ。また一方、Th1が優勢だと、自分の細胞を攻撃する自己免疫疾患などに罹る割合が高くなります。(『クロワッサン特別編集 免疫力をアップする、発酵食のすすめ』(マガジンハウス)より抜粋引用)

 

 

ステロイド薬はTh1、Th2のいずれをも抑制するが、自然免疫、すなわちTh1の抑制作用が強い。このため急性炎症の鎮静化には優れるが、長期使用を行えばTh2反応へのシフトが起こり、アレルギー疾患憎悪の方向に働く可能性がある(塩原哲夫=編『ステロイド外用薬パーフェクトブック』)

 

 

 マクロファージの「敵」とは、細菌、ウイルスなどの異物(病原体)だけでなく、体の内側に生じた変異たんぱく質や酸化したコレステロール、がん細胞などです。‘’活性酸素‘’によって傷つけられた細胞も大掃除してくれるのです。(伊藤豊『医者が教える最強の栄養学』)

 

今、コロナウイルスによる感染症が流行しているのだが、重症患者では炎症反応が強く、過剰な免疫反応を起こしていると言われる一方、無症状や軽症の人も多く、風邪と変わりないとも言われている。

また、軽症患者で イブプロフェンなどの抗炎症薬を服用すると重症化すると言われたり、ステロイドで効果があったとかステロイドは使ってはいけないと、情報が交錯している。

 

これらの事柄の根底にあるのは、自然な免疫反応とアレルギー反応への対処の仕方の不適切性なのではないだろうか。自然免疫を取り戻さなければならないと思う。