風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

アセチルコリンによるナトリウムイオンとカリウムイオンの細胞内外への移動

人為的にアセチルコリン(またはニコチン)を投与してNN受容体を刺激することで、交感神経と副交感神経の両方を興奮させることができます。NN受容体は、交感神経と副交感神経の両方の神経節部で、シナプスの受容体として興奮を伝達する役割をになっているためです。
NN受容体(NM受容体と同類のニコチン受容体)にアセチルコリンが結合すると、ニコチン受容体のナトリウムチャンネルが開いてNa+が細胞内に流れ込み脱分極を起こします。脱分極を繰り返し、細胞内の電位がある閾値をこえると、電位依存性ナトリウムチャネルが開き活動電位を発生させます。

 

心臓の洞房結節にはムスカリン受容体のM2タイプが存在していることが確認されています。ムスカリン受容体はニコチン受容体と構造が異なり、受容体自身はイオンチャンネルを持ちません。その代り、Gタンパクと呼ばれるタンパク質と結合しており、受容体にアセチルコリンが結合すると、このGタンパクを使って細胞膜にあるカリウムチャンネル(K+)を開きます。細胞膜上のカリウムイオンチャンネルが開くとカリウムイオンが細胞内から外部に流れ出します。陽イオンが流れ出るために、細胞内の電位はよりマイナスに変位します。もともと細胞内の電位はマイナス側に偏っているので、さらにマイナスなる”過分極”の状態になります。これにより、なかなか活動電位を発生させる電位まで電位が上昇しにくくなります。このようにして、迷走神経刺激によるアセチルコリン放出は、心臓の活動を抑制し、心拍数を減少させます。
http://hclab.sakura.ne.jp/nerve_phis_parasympathetic.html

 

甲状腺ホルモン、インスリン、β2カテコラミン等はカリウムの細胞内移動を促進するホルモンであったが、アセチルコリンカリウムを細胞外へと出す働きをする神経伝達物質のようである。

 

アセチルコリンが増えすぎる状態が長く続くと、うっ血性の心不全に至ると考えられる。

 

アセチルコリンは、コリン、ナイアシンパントテン酸マンガン等によって合成されるようである。

 

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 ただし、ひとつだけ注意点があります。実はカリウムの推奨摂取量を増やすことに対して専門の医師の間から反対意見も出ました。
 慢性腎不全などで腎臓の機能が低下している人は、カリウムを捨てる能力が低下しているので、多く取り過ぎるとカリウムが体内にたまってしまいます。そうすると、血液やリンパ液のカリウムの濃度が上がり、筋肉や神経にあるカリウムの穴を開けても、細胞の中から外にカリウムが出てこられなくなるのです。これにより、オンの状態からオフの状態に切り替えられなくなるので、筋肉や神経が正常に機能しなくなるというわけです。
 とくに怖いのが心臓です。心臓は心筋という筋肉のかたまりです。カリウムが体内にたまり過ぎると、心臓が正しく鼓動を打てなくなり、最悪の場合、死亡してしまうこともあるのです。(吉田たかよし『元素周期表で世界はすべて読み解ける』)

 

ここで、「筋肉や神経にあるカリウムの穴を開けて」と言われているのは、上にリンクしたサイトに記されているカリウムチャンネル」のことである。

普通、カリウムは細胞外より細胞内に多めにあるように調整されているが、細胞内に多くなりすぎた場合、カリウムイオンはカリウムチャンネルを通って細胞外に出られるようになっている。しかし、カリウムが増えすぎて血中にも多く存在する場合、カリウムチャンネルを通って外にも出られないということのようだ。

「慢性腎不全などで腎臓の機能が低下している人は、カリウムを捨てる能力が低下しているので、多く取り過ぎるとカリウムが体内にたまってしまいます」と記されているのだが、腎臓機能がどうして低下したのかということを先ず考える必要があるように思われる。

 

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