風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

制御性T細胞(ヘルパーT細胞の一種)とTh1とTh2について(リンクによるメモ)

ヘルパーT細胞が持つ2つの顔

(略)

一方の「Th2」細胞は、ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに反応します。

B細胞を活性化させて、抗原を退治するため抗体をつくります。
その際、指令物質として、「Th2細胞」からは「IL-4(インターロイキン4)」が分泌され、B細胞に抗体を作るよう指示を出します。

免疫バランスが崩れ、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状が起こるのです。

しかし本来、体は、どちらか一方の反応が過剰にならないように、それぞれの細胞から分泌される「IFN-γ」と「IL-4」のサイトカインがお互いの働きを抑制し合うようにも働いています。そうして、Th1細胞とTh2細胞による獲得免疫のバランスは保たれているのです。http://immubalance.jp/about/immunity-5/

 

 免疫反応は有害な病原体を排除するために重要ですが、炎症反応を伴うので適切な時期に終息しないと、自分自身の体を攻撃することになります。そのために、免疫系には免疫応答を抑制制御する様々なしくみが備わっています。例えば、免疫応答が終わる際には大部分の抗原特異的免疫細胞はアポトーシスと呼ばれるプログラムされた細胞死が誘導されたり、制御性T細胞と呼ばれる免疫反応を抑制する免疫細胞が働いたりします。制御性T細胞は、また、自分自身の蛋白質(自己抗原)を認識する免疫細胞を不活性な状態(免疫寛容)のままに維持する重要な役割も果たします。

(略)

 免疫システムは我々の身体を多種多様な病原体から守っています。病原体は、細菌・ウイルス・寄生虫・真菌、さらにその中にも数限りない種類が存在します。それら異なった種類の病原体を排除するために、生体は炎症などを伴う適切な免疫反応を作動させますが、その司令塔としての役割を果たしているのがヘルパーT細胞(CD4陽性T細胞)です。ヘルパーT細胞は胸腺で生まれ、胸腺の外(末梢)に出て身体を循環し、身体に侵入した病原体の種類に応じてTh1、Th2、Th17の3種類のいずれかの炎症を引き起こすエフェクターT細胞に分化し、それぞれの病原体の排除に最適な免疫反応を誘導します。一方、免疫反応は適切な時期に終息しなければなりません。また、自己のたんぱく質や食物には反応してはいけません。もし異常に免疫系が活性化され続けたり、自己のたんぱく質や食物や花粉などの無害な物質と反応すると、関節リウマチや炎症性腸疾患などの自己免疫疾患や花粉症などのアレルギーを引き起こします。そこで、ヘルパーT細胞のなかにはエフェクターT細胞を抑制し免疫反応を適切に制御するT細胞、制御性T細胞(Treg)が存在します。Tregはさまざまなメカニズムで免疫反応を抑制し、生体の恒常性(ホメオスターシス)の維持に重要な役割をはたしています。Tregの異常はエフェクターT細胞の過剰な活性化を招き、自己免疫疾患やアレルギー性疾患を引き起こします。逆にTregを人為的に増強できればそれら疾患の治療に結びつくと考えられます。また臓器移植の拒絶反応にもエフェクターT細胞が寄与しており、Tregの増強は臓器移植の拒絶反応の抑制にも効果的であると考えられています。しかしTregそのものがどのように発生するのかは長らく不明で、Treg発生のメカニズムの解明は現代免疫学における大きな課題の1つでした。(抜粋)

https://www.jst.go.jp/crest/immunesystem/result/04.html

 

ステロイド薬はTh1、Th2のいずれをも制御するが、自然免疫、すなわちTh1の抑制作用が強い。このため急性炎症の鎮静化には優れるが、長期使用を行えばTh2反応へのシフトが起こり、アレルギー疾患憎悪の方向に働く可能性がある。(『ステロイド外用薬パーフェクトブック』)