これまでに筆者らが検討したところによれば、濃度の薄いユズの香りによる匂い刺激は、副腎、褐色脂肪組織、腎臓を支配する交感神経を興奮させることがわかっています。
これにより体温と血圧が上昇し、強壮作用や元気にさせる効果が期待できます。
一方、濃度の濃いユズの香りによる匂い刺激は、上記組織・臓器を支配する交感神経を抑制して体温と血圧を低下させ、さわやかな眠りに誘う作用と、癒し効果、鎮静効果をもたらします。
同じ精油でも、濃度によってまったく逆の作用を引き起こすということです。
このような濃度による香りの効果の違いは、ユズの香り成分のうちで圧倒的に含有量の多いリモネン(約70%)と、少量ながらこれと反対の効果を持つリナロール(約1%)の微妙な香り効果の相対的濃度の差異によるものと考えられます。
言うまでもなくリモネンはグレープフルーツ精油の有効成分の1つであり、リナロールは真正ラベンダー精油の有効成分の1つです。
ユズ精油には、これら相反する効果を持つ2つの成分が混在しているのです。ですから、使用する際は、その濃度に注意を払う必要があります。(『医者がすすめる科学的アロマセラピー』(太陽出版)より抜粋)
ペパーミントなども濃度によって冷たく感じさせたり暖かく感じさせたりすると言われているが、ユズもそのようだ。アロマオイルというのは扱いが難しいものだと思う。
YouTubeに柚子のこんな動画も上げているのだが・・。