甲状腺ホルモンはT4からT3に変換されて初めて甲状腺ホルモンとして機能するようである。
また、甲状腺ホルモン(T4)は、チロシン、鉄、ヨウ素、亜鉛、ビタミン(E、C、D、B2、B3、B6)によって合成されるようである。
T4からT3に変換されるためには亜鉛とセレンが必要であるようだ。
チラーヂンは、甲状腺ホルモン(T4)を合成で作ったもののようである。
だから、チラーヂンを飲むだけでは甲状腺ホルモンとして機能しないということが分かる。
甲状腺ホルモンT4をT3に変換するためには亜鉛とセレンが必要となる。
しかし、現状での栄養学は薬学と手を携えていないから、ここまでの栄養指導はなされていない。
甲状腺ホルモンを機能させるためには二段階で亜鉛が必要となる。
よって、甲状腺機能亢進症治療薬(チアマゾール)は、甲状腺ホルモンを造りにくくするために亜鉛を排出するように設計されていると考えられる。
同じことは、利尿剤でも言えるだろう。
血管を収縮させるアルドステロンを分泌させるアンギオテンシン変換酵素(ACE)の合成には亜鉛が必要である。亜鉛によって血圧を上げていると言える。
しかしこれは見方を変えれば、血圧を保っているとも言えるのである。
故に、「重症高血圧では血清亜鉛が低下しACEが低値を示す」(『亜鉛の機能と健康』)ということになるのである。
つまり栄養素のバランスを取る必要があるのだが、薬はバランスを取るようには造られていない。
薬は一方に傾いたバランスを逆方向へと傾けるように造られているものなのである。
だから、薬を飲み続けることはバランスをさらに崩して逆の病気を引き起こすということになる。