マグネシウムは、同じ二価イオンのカルシウムと互いに作用し合って、血圧の維持に働いている。筋肉細胞中にカルシウムが入り込むと筋肉は収縮し、マグネシウムは逆に筋肉を弛緩させる作用がある。マグネシウムは、血管の平滑筋においてカルシウムの流入を選択的に抑制し、血管の収縮を妨げることで血圧を下げるため、高血圧の予防効果が期待されている。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p190)
また、同じページの下の方には、以下のようにも記されている。
マグネシウム摂取量は、カルシウム摂取量の約半分が理想的とされており、カルシウム/マグネシウム比が高いと虚血性心疾患の危険性が高まる。(『しっかり学べる!栄養学』)
このように一方的な記載で、兎角カルシウムはナトリウムと同じく悪者扱いされがちなのだが(笑)、カルシウムが足りないと平滑筋において血管の収縮が起こらず、弛緩性の便秘にもなるし、最悪腸閉塞も起こす。
うちの夫が心不全で入院した時、「この前亡くなったタレントの○○の虚血性心疾患とは逆の『うっ血性心不全』です」と、わざわざ説明してくれたものだ。(あの頃はまだまだ東日本大震災の原発事故の影響が取り沙汰されていた頃だったから、というのもあると思うが・・。)
つまり、カルシウムが不足すると、血流が回らず、水分が停滞、遍在し、水毒を起こすということにもなるということである。
マグネシウムは下剤にも使われるが、腎機能が衰えている人には禁忌だ。
カルシウム拮抗薬を服用している患者にもマグネシウムはあまり摂らさない方が良いだろうと思う。
一般的なことばかり言っててもしようがない。目の前の人に当てはまるかどうか、なのだ。
カルシウムよりマグネシウムの方が多く含有されているという食べ物は案外沢山ある。
肉、魚などは大方マグネシウムの方がカルシウムより多い。日本人の主食のご飯もマグネシウムの方がカルシウムより圧倒的に多く含有されている。
これをCa:Mgの比率で考えるなら、ますますマグネシウムの方を多く摂取していると思われる。
乳製品で摂らなければ何でカルシウムを摂れば良いですか?と言うくらいカルシウムの摂取は難しいと私には思える。
乳製品を除いて、カルシウム摂取源として挙げられるのは、コンニャク、チリメンジャコ、卵、砂糖類などである。これらは、カルシウム>マグネシウム。比率までは知らないが。