マカダミアナッツ油(Macadamia ternifolia)(ヤマモガシ科)
このオイルのいちばんの特徴は、なんといってもパルミトレイン酸を豊富に含むことでしょう。パルミトレイン酸は、もともと皮脂に含まれ、皮膚細胞の再生に欠かせない成分ですが、30歳を過ぎると分泌量が減ることから、肌の老化に大きく関係しているといわれています。マカダミアナッツ油は、このパルミトレイン酸を20%以上も含み、ビタミンも豊富なため、皮膚の若返りを助けるオイルとして人気があります。皮膚への浸透力も高く、「バニシングオイル=消えてなくなるオイル」といわれるほど、すばやく肌に吸収されます。すぐれた保湿性と浸透力が、乾燥肌や、冬場の乾燥した気候から肌を守るスキンケアに欠かせないオイルとなっています。また、リノール酸の含有量が1〜4%と非常に少ないため、酸化しにくく、長期の保存が可能なことも特徴の一つです。
ごくまれに肌に合わない場合もあるため、とくに肌荒れの経験がある人はパッチテストを行うこと。
シアバター(Butyrospermum parkii)(アカテツ科)
肌に必要な脂肪酸やビタミンを豊富に含み、肌に潤いと弾力を与え、シワやタルミを予防・改善する働きがあります。紫外線吸収剤の一つ、桂皮酸が含まれているので紫外線から肌を守る効果もあります。原産地のアフリカでも古くから人々の肌を強い紫外線と乾燥から守り、筋肉痛やリウマチ、軽いやけどや傷などに効果がある塗り薬として、幅広く利用されてきました。有益な微量成分を多く含み、敏感肌にも使えるバターです。
(グリーンフラスコ監修『アロマテラピーのすべてがわかる事典』)
ヒトはΔ9不飽和酵素によりパルミチン酸(C16:0),ステアリン酸(C18:0)に二重結合を導入してそれぞれパルミトレイン酸(C16:1),オレイン酸(C18:1)に変換することができる.しかし,Δ12不飽和酵素とΔ15不飽和酵素を持たないため,オレイン酸に二重結合を導入してリノール酸(C18:2)やα-リノレン酸(C18:3)へと変換することができない.ただし,(略)
バリア機能に重要な表皮の脂質ラメラには他の組織では見られない特徴的なセラミドが存在する.長鎖塩基部分にはスフィンゴシンやジヒドロスフィンゴシンだけでなく,4位に水酸基を持つフィトスフィンゴシン(P),6位に水酸基と4位と5位の間に二重結合を持つ6-ヒドロキシスフィンゴシン(H)も存在する24,25)(図2B)
(略)
スフィンゴ脂質の合成はパルミトイルCoAとL-セリンの縮合反応で始まる.この反応はスフィンゴ脂質合成の律速段階であり,セリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)により触媒される(図6)
http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/82-07-03.pdf
体内では、パルミトレイン酸はパルミチン酸から変換されるようである。また、セラミド合成の基となるパルミトイルCoAもパルミチン酸から変換されるようである。
シアバターやマカダミアナッツ油などの植物油はアロマオイル(精油)を溶かすための基剤として用いられるが、今回は精油は入れずに保湿クリームを作る。(精油を入れて熱すると有効成分が揮発してしまうため、精油を入れる場合はオイルウォーマーでシアバターを溶かした後に入れるようにする。)
シアバターを使ったこの保湿クリームは全身に使える。ハンドクリームを作る場合はシアバターの代わりにミツロウを使っても良い。ワセリンにすると、さらに疎水性が高まって、水仕事をする手に向いている。
アロマオイルなどの商品は、アドバイザーの資格を持った店員さんのいる専門店で購入するのが良い。