10月半ば頃だったかに、娘が買って使った敏感肌用の保湿剤にクエン酸が入っていた。
カルボキシ基を3個有する弱酸。
日本薬局方収載品であり、ドラッグストアでも第三類医薬品として市販されている。クエン酸の塩はカルシウムイオンとキレート結合するので、かつては検査用血液サンプルの抗凝固薬などとしても利用された。現在でも成分献血時にクエン酸ナトリウムとともに抗凝固薬として使用される。
炭酸カルシウムを容易に溶かすことから、便器の尿石・浴室・電気ポット・加湿器内部に溜まった水垢の洗浄に用いられる。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%A8%E3%83%B3%E9%85%B8
クエン酸はレモンや梅干しなどに含まれる有機酸の一種。白くてサラサラした顆粒状で無臭ですが、なめてみると強い酸味があります(口に入れてもいいのは薬局方のクエン酸に限ります)。サプリメントの成分としてもよく使われています。酸性なので、水アカや石けんカス、トイレのアンモニア臭などのアルカリ性の汚れを分解し、水まわりなどのおそうじで大活躍します。
バスルームや洗面所には、水栓金具などの周囲に白っぽい汚れがこびりついていることがよくあります。これは、水の中に含まれるカルシウムと石けんに含まれる脂肪酸や人間の皮脂が反応してできる汚れです。このような石けんカスや水アカはアルカリ性の汚れなので、クエン酸が効果的。(日本ハウルクリーニング協会=監修『かんたんナチュラルおそうじ術』より)
皮脂膜(脂質膜)
皮膚の表面には、絶えず汗と皮脂が少量ずつ分泌され混じり合って、pH5,2~5,8の弱酸性の皮脂膜を作っています。弱酸性のため、細菌や真菌の侵入・発育を抑え、殺菌作用もしています。汗が多く出過ぎると、バランスが崩れてアルカリ性に近付き、殺菌力が弱まり、化膿しやすくなります。また、皮脂膜は、皮膚や毛の乾燥を防いでしっとり滑らかに保ったり、外界の刺激から皮膚を保護するなどの働きもしています。老化などによって、汗や皮脂の分泌が衰え、皮脂膜形成が不十分になると、肌は乾燥してカサつき、かゆみを起こします。(堺章『目でみるからだのメカニズム』p167)
クエン酸は美容方面ではピーリングに使うようである。ピーリングとは古くなった角質を取り除くということらしいのだが、ステロイド外用薬の副作用で接触性皮膚炎を起こし、表皮が十分形成されておらず古い角質どころか新しい角質も定着していない皮膚に使えばどうなるかということである。
果たして使い始めて4日ほど経ったところで皮膚の状態がまた酷くなった。
皮脂膜が弱酸性だから、弱酸性のクエン酸を使えば良いかというとそうはならないということだ。化学反応を起こして皮膚のpHバランスが崩れる可能性がある。
そのようなものを化粧品に入れるというのは、角質を取り除くということだから、一時的にくすみが取れて顔色が綺麗になったように見えるからだろう。
その効果を見込んで化粧品に入れるのかもしれないが、敏感肌用の保湿剤に入れるものではないように思う。
一日中顔につけているものなのだから、保湿しているつもりで、表皮を溶かすことになりかねない。実際そのようになって、治りかけていたのが酷く後退した。
この保湿剤を販売しているのは、化粧品会社でも製薬会社でもない。家具から衣類から食べ物から様々な物を販売しているところである。某化粧品会社などでは研究室を設置して皮膚科学なども研究しているようだが、ここはどうなのだろうか?
アロマオイル等も、ヨーロッパの一部では薬局でしか購入できないと聞くが、日本では雑貨屋で手に入る。購入する方に知識がなくては不具合が生じる場合がある。