風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

マクロファージと自然免疫についての覚書

 

自然免疫とは、ウイルスや細菌などの敵が体内に入ってくると、敵の目印に関係なく真っ先に駆けつけてやっつける免疫反応のことで、マクロファージ、顆粒球、NK細胞といった免疫細胞がそれにあたります。https://serenclinic.jp/cancerlecture/immunotherapy05/

 

マクロファージ等について分かりやすく書かれているものが手持ちの本にあったので、以下に、引用させて頂く。

 

 白血球は顆粒球とリンパ球とマクロファージに分けられますが、その中の5%のマクロファージは、大型の細胞に分布していて、異物が侵入すると、すぐに駆けつけて異物(ほこりからがん細胞まで、体内にある不必要なゴミをすべて)を貪るように食べて処理します。(略)
 老化した細胞をも処理してくれます。
 さらに、マクロファージは司令塔として、自ら処理できないものに対し、顆粒球、リンパ球を誘導してくれます。

 

 マクロファージは原始的な細胞で、単細胞時代の名残をとどめ(略)

 

 顆粒球は、好酸球(感染やアレルギーで活性化)、好塩基球(炎症に関与する刺激物質を分泌)、好中球(細菌などを貪食)の三種類ありますが、95%は好中球です。
 好中球は血液に乗って全身を監視していますが、細菌などの異物に気づくと血管からはい出して、異物を取り込み、処理します。
 処理し終わった好中球は自爆して化膿性の炎症を起こします。その死骸が「膿」です。この死骸を片付けるのがマクロファージです。

 好中球などの顆粒球は、攻撃したり自爆したりするときに「活性酸素」を大量に放出します。こうした活性酸素は体内で無毒化されます。しかし、顆粒球が増えすぎたり過剰反応を起こすと無毒化できず、自分の体を攻撃して組織破壊を進めてしまうのです。

 

(中略)

 

「赤血球」についても簡単に説明します。
 顆粒球が増加し、はじめに狙うターゲットは「赤血球」です。
 活性酸素によって破壊された赤血球は弾力性を失って互いにべたべたとくっつき合うようになります。ちょうど金平糖がつらなったように見える現象を「赤血球の連銭形成(アカンサイト)」といいます。
 このような状態になると、当然、血液は流れにくくなり、全身が血流不全に陥ります。心臓に栄養を送る冠状動脈がトランス脂肪酸で狭窄されたところに血液の塊(血栓)で詰まると、心臓梗塞が起こってしまいます。
 マクロファージは、病気にかかってからでなく、かかる前に働いて健康を守ってくれるのです。
 マクロファージの「敵」とは、細菌、ウイルスなどの異物(病原体)だけでなく、体の内側に生じた変異たんぱく質や酸化したコレステロール、がん細胞などです。‘’活性酸素‘’によって傷つけられた細胞も大掃除してくれるのです。(伊藤豊『医者が教える最強の栄養学』p94~97)

 

この後には、マクロファージを元気にするために、腸の働きを整える食物繊維や発酵食品を摂ることが勧められている。そして最後に、「これらの力を借りて腸内を整えることによって、免疫の超エリート「NK細胞」が活性化されるのです」と締めくくられている。

この部分は、23日のブログhttps://meromeropy77.hatenablog.com/entry/2020/07/23/161254で引用した『クロワッサン特別編集 免疫力をアップする、発酵食のすすめ』で語っておられる白澤卓二氏の「Th2が優位なとき、乳酸菌が非常に有効です。乳酸菌にはTh1を活性化する力があるんですよ。だからヨーグルトやチーズ、味噌、醤油や漬物など乳酸菌が豊富なものを食べることで、Th1、Th2のバランスがきちんと整うんです」という言葉ともつながるように思われる。

 

ただ、発酵食品を摂る場合に、ヒスタミンが過剰となって起こる「ヒスタミン不耐性」としてのアレルギー様反応には気をつけなくてはいけない、とは思うが・・。