風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

Th1細胞とTh2細胞の違いをリンクによってメモしておく

Th1細胞(-さいぼう、英: Th1 Cell)は、CD4+T細胞(いわゆるヘルパーT細胞)の亜群であり、インターフェロン-γやインターロイキン-12(IL-12)の刺激を受けることによりナイーブT細胞とよばれる抗原タンパク質との接触経歴を持たないT細胞からの分化が誘導される。T細胞をはじめとした免疫系の細胞はサイトカイン産生能を有しているがTh1細胞により産生されるインターフェロン-γ(IFN-γ)をはじめとしたサイトカインは特にTh1サイトカインと呼ばれ、マクロファージや細胞障害性T細胞(CTL)などの細胞を活性化してウイルスや細胞内抗原の除去自己免疫疾患の発症抗腫瘍免疫を担う細胞性免疫などに関与していることが知られている。同様にナイーブT細胞から分化するTh2細胞はIL-4などのいわゆるTh2サイトカインを産生し、Th1細胞とTh2細胞はサイトカインを放出することにより互いの機能を抑制しあっている。

細胞外に存在する細菌の除去はB細胞から分化した形質細胞が産生する免疫グロブリンなどが中心的役割を担う体液性免疫によって行われるが、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)などの細胞内寄生菌の除去においては細胞性免疫が重要な役割を担っている。通常、細菌に対する免疫応答の第一線はマクロファージ等の食細胞により行われているが結核菌は食細胞内の小胞において寄生することが可能である。Th1細胞はマクロファージへのMHCクラスII分子を介した抗原提示やCD40リガンド(CD40L)、IFN-γの分泌により活性化を引き起こし、食胞内で生き残る菌を殺すことができる結核菌への感染には家族集積性が認められ、各個人におけるTh1細胞の活性が重要な役割を果たしていると考えられている[1]。また、Th1細胞由来のサイトカインにより活性化されたCTL細胞障害活性を示し、感染を起こした細胞にアポトーシス(自発的細胞死)を誘導することによって破壊することが知られている。CTLは癌細胞に対してもアポトーシスを誘導するが、癌患者においてはT細胞の活性が低下しており、その機構の一つとして腫瘍細胞から放出されるTGF-βによるTh1細胞およびCTLの活性抑制が存在する。

また、Th1細胞の過活動はインターフェロン-γやリンフォトキシン(TNF-β)をはじめとした種々の炎症性サイトカインが産生を引き起こし、関節リウマチや実験的自己免疫性脳炎(EAE)、多発性硬化症インスリン依存性糖尿病などの慢性炎症・自己免疫疾患にも関与していることが示されている。

さらに、Th1/Th2のバランスの破綻はある種の疾患の原因となることが知られている。これまでこの平衡がTh1系に強く傾くことによって過剰なTh1サイトカインが産生され自己免疫疾患の発症につながると考えられてきたが、最近の動向では自己免疫疾患の発症にはIL-17産生能を有した新しいT細胞のサブセットであるTh17細胞が関与しているという説も強く、自己免疫疾患がどちらの細胞によって引き起こされるものなのかははっきりしていない[2]。近年ではTh1細胞の分化メカニズムやTh1/Th17バランスなどに対して注目が集まっている。 https://ja.wikipedia.org/wiki/Th1%E7%B4%B0%E8%83%9E

 

  

Th2細胞(ティーエイチ2さいぼう、英: Th2 Cell)は、CD4+T細胞(いわゆるヘルパーT細胞)の亜群であり、抗原タンパク質との接触経歴を持たないT細胞(ナイーブT細胞)がインターロイキン-4(IL-4)やIL-13などのサイトカインの刺激を受けることによりTh2細胞への分化が誘導される。T細胞をはじめとした免疫系の細胞はサイトカイン産生能を有しているがTh2細胞により産生されるIL-4をはじめとしたサイトカインは特にTh2サイトカインと呼ばれ、B細胞から分化した形質細胞による抗体タンパク質産生の亢進や顆粒球の一種である好酸球などの細胞を活性化することによりアレルギー性疾患の機構に関与していることが知られている。Th2サイトカインはTh2細胞の他にもナチュラルキラー細胞(NK細胞)や好酸球、マスト細胞などの細胞により産生される。Th2細胞と同様にナイーブT細胞から分化するTh1細胞はインターフェロン(IFN)-γなどのいわゆるTh1サイトカインを産生し、Th1細胞とTh2細胞は互いの機能を抑制しあっている。この平衡関係はTh1/Th2バランスと称され、このバランスがどちらかに傾くことによりそれぞれに特有の疾患が生じると考えられている。

Th2細胞はサイトカインの放出により液性免疫応答の活性化を行う機能を有する。液性免疫とは抗体分子が関与した免疫系であるが、抗体タンパク質は活性化したB細胞により産生されることが知られている。B細胞表面にはB細胞抗原受容体(BCR)を発現しており、細胞内に抗原を取り込み分解を行った後にその断片をMHCクラスII分子を介して細胞表面に提示する。Th2細胞はT細胞抗原受容体(TCR)を介してB細胞により提示された抗原断片を認識し、Th2細胞表面におけるCD40リガンドの発現やサイトカインの放出によりB細胞を刺激し分化・増殖を促す。Th2細胞の放出するサイトカインはTh2サイトカインと総称され、IL-4、IL-5、IL-6、IL-10、IL-13、GM-CSFなどが挙げられる。特にIL-4による刺激がB細胞に入ると免疫グロブリンE(IgE)の産生が亢進する。IgEはマスト細胞や好塩基球などの細胞表面に結合してヒスタミンの放出の促進などに関与する重要な分子である。また、Th2細胞により産生されるIL-10やTGF-βはTh1反応を抑制する働きを持つ。

また、既に述べたようにTh1細胞とTh2細胞は互いに抑制しあってバランスを保っているが、この平衡状態がTh2細胞側に傾きTh2サイトカインが過剰に産生されることにより気管支喘息アトピー性皮膚炎をはじめとしたいわゆるTh2病と呼ばれるアレルギー性疾患に陥ることが知られている。(https://ja.wikipedia.org/wiki/Th2%E7%B4%B0%E8%83%9E

 

 

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