ビタミンAの作用
体内で11-シス-レチナールとなったあと、網膜の桿体にてオプシン(タンパク質)と結合しロドプシンとなり光の明暗に関与する。粘膜など上皮細胞の新陳代謝を促したり、角質の水分保持能力を高める。
緑黄色野菜に多いβカロテンはプロビタミンAとも呼ばれ、必要時2分子に分かれてビタミンAとなります。欠乏症は夜盲症、過剰症は頭痛や皮膚の脱落です。
ビタミンAはタンパク質とともに、免疫系(特に腸管免疫)に深く関わっている。
ビタミンA欠乏の免疫器官への影響
・粘膜組織 粘液↓、S-IgA↓、腸絨毛↓
・T細胞 増殖↓、Th1機能↑、Th2活性↓、CD4+T細胞↓
・B細胞 分化↓、抗体産生能↓
・マクロファージ 貪食作用↓
・NK細胞 キラー活性↓
・その他 IL-4,5↓、IFN-γ↑、アポトーシス↑
タンパク質が必要な理由は、脂溶性ビタミンであるビタミンAは、血中レチノール結合タンパク質濃度が低下すると、ビタミンAの運搬がなされず、小腸以外の臓器は低ビタミンA状態に陥ってしまうためである。
実際の免疫賦活作用としては、小腸粘膜においてビタミンAは粘膜固有層のTh2細胞を活性化し、Th2サイトカイン、とくにIL-5の分泌を高め、レチノイン酸の形でそのIL-5(IL-4、IL-6の影響は軽度)と共同して粘膜内のIgAを亢進している。
この管理薬剤師さんのサイトを見ていて、またまた「自然免疫」について少しばかり考えてしまった。
しかし、どこに書いてあったか見つけられないのだが、ビタミンAはステロイドホルモンと等しいというような記述を見て、そうだとすれば、ビタミンAによってTh1が抑えられてTh2が優位になるというのは理屈に合っている気がする。
リンクの抜粋はビタミンA欠乏で「Th1機能↑」となっているので、逆から言えば、ビタミンA過剰でTh1抑制、Th2活性となり、アレルギー反応が暴走すると言えるのではないだろうか?
これまで調べてきた事柄から推測して、VAとVB2が共に働いて粘膜上での感染症の予防に働いているのではないかと思われるのだが、VA過剰でVB2が弱い場合、粘膜上でTh2細胞が活性化され、Th2サイトカインが暴走し、アレルギー症状を引き起こすと言えるような気がする?
「ビタミンDを摂るために鮎の塩焼き」を食べていたのだが、鮎にはビタミンAが多かった。内臓に多いようだが全体的に多く、養殖の焼いたので480㎍。見た目に多そうに見える紅鮭の焼いたの35㎍と比べても多いのが分かると思う。
鰻の蒲焼きも半分だけだったけど、食べたので、ビタミンA過剰になっていたと思われる。
必要な栄養素でもあんまり大量に含有しているものでは摂らない方が良い。過剰症に逆転してしまう。
はたらき
呼吸器粘膜を正常化するので、呼吸器系の疾患の治療には不可欠です。
このように記されているので、VB2欠乏VA過剰では喘息系のアレルギーが生じるのではないかと思う。
以前、私は咳型の喘息と診断されたことがあってスプレー式のステロイドを処方されて使っていたことがあるが、インスタントのコーヒーに牛乳を入れて飲むと喘息様の透明な痰で喉が塞がれるようになっていた。インスタントコーヒーにはナイアシンが多く、このナイアシンと牛乳のビタミンAでアレルギー症状を起こしていたと思われる。
そしてここに記されている「CD4+T細胞↓」である。ビタミンA欠乏で、「CD4+T細胞↓」となるのである。やはり!ではないだろうか?
逆に言えば、ビタミンA過剰で、「CD4+T細胞↑」である。
ここを読むと、やはりリンパ球が「獲得免疫」であるようだが・・。
二つのT細胞の中でも「CD4陽性T細胞は、抗体を分泌するB細胞の働きを助ける…」ことが分かる。抗体に関わっているのは「CD4陽性ヘルパーT細胞」だということだ。
さらに、「CD8陽性T細胞は、強力な細胞傷害活性によりウイルス感染細胞やがん細胞を殺傷する「CD8陽性キラーT細胞」へ分化」するのだ。これはある意味、自然免疫と呼べなくもないように思えるのだが・・?
そして、「CD8陽性キラーT細胞は、感染が慢性化した場合などには徐々にその活性が弱ま」って、「CD4陽性T細胞の一部が、細胞傷害活性を持つキラーT細胞(CD4陽性キラーT細胞)に分化して働きを補う」のだ。
この記述を読むと、アレルギーに関わるのは「CD4陽性T細胞」であるように思える。
アレルギー体質の人間は、ビタミンAはカロチンくらいで摂るのが良いかも知れない。