風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

“CD4陽性キラーT細胞”についてリンクによるメモ(アトピーとの闘い最終章)

CD4陽性キラーT細胞への分化機構を解明

-CRTAMタンパク質による刺激がキラー細胞へと分化誘導する-

理化学研究所理研)統合生命医科学研究センター免疫シグナル研究グループの斉藤隆グループディレクターらの共同研究グループは、特別なキラーT細胞の分化にタンパク質「CRTAM[1]」が重要であることを発見しました。

(略)

私たちの体には、過去に感染したウイルスや細菌などに対して抵抗性を獲得する仕組みが備わっています。この仕組みを「獲得免疫」と呼び、主に白血球の1つであるリンパ球が重要な役割を果たしています。リンパ球には、T細胞とB細胞の2種類が存在し、その中でもT細胞は、CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞に大別され、CD4陽性T細胞は、抗体を分泌するB細胞の働きを助ける「CD4陽性ヘルパーT細胞」へ、CD8陽性T細胞は、強力な細胞傷害活性によりウイルス感染細胞やがん細胞を殺傷する「CD8陽性キラーT細胞」へ分化します。

CD8陽性キラーT細胞は、感染が慢性化した場合などには徐々にその活性が弱まることが知られていました。このような状況下では、CD4陽性T細胞の一部が、細胞傷害活性を持つキラーT細胞(CD4陽性キラーT細胞)に分化して働きを補うことや、高い抗腫瘍効果を持つようになることなどが報告されています。しかし、どのようにCD4陽性ヘルパーT細胞やCD8陽性キラーT細胞へ分化し機能を発揮するかは詳しく解析されてきましたが、CD4陽性T細胞の一部がどのようにCD4陽性キラーT細胞へと分化するのか、そのメカニズムは分かっていませんでした。「CRTAM」は細胞の表面に存在するタンパク質の1つで、これまでの研究では活性化したCD8陽性T細胞やナチュラルキラー細胞(NK細胞)に発現することが報告されています。2009年に斉藤隆グループディレクターらの研究グループはCRTAMの発現がCD8陽性キラーT細胞を介した免疫応答で重要な働きをすることを明らかにしました注)。その後、一部のCD4陽性T細胞にもCRTAMが発現することが分かり、共同研究グループはCRTAMに注目し、その機能を調べることにしました。

 

(略)

 

    (A) 通常、細胞傷害活性はCD8陽性T細胞に備わっており、CD4陽性T細胞には認められない。しかし、CRTAMを発現しているCD4陽性T細胞ではCD8陽性T細胞と同様の活性を示す。

    (B) マウスをインフルエンザに感染させると、肺のCD4陽性T細胞がインフルエンザ特異的な細胞傷害活性を示すが、CRTAM欠損マウスをインフルエンザに感染させた肺のT細胞では、傷害活性が下がっていた。つまり、CD4陽性キラーT細胞の誘導にCRTAMが重要であることが確認された。

https://www.riken.jp/press/2015/20151221_1/index.html#note1

 

ここを読むと、やはりリンパ球が「獲得免疫」であるようだが・・。

二つのT細胞の中でも「CD4陽性T細胞は、抗体を分泌するB細胞の働きを助ける…」ことが分かる。抗体に関わっているのは「CD4陽性ヘルパーT細胞」だということだ。

さらに、「CD8陽性T細胞は、強力な細胞傷害活性によりウイルス感染細胞やがん細胞を殺傷する「CD8陽性キラーT細胞」へ分化」するのだ。これはある意味、自然免疫と呼べなくもないように思えるのだが・・?

そして、「CD8陽性キラーT細胞は、感染が慢性化した場合などには徐々にその活性が弱ま」って、「CD4陽性T細胞の一部が、細胞傷害活性を持つキラーT細胞(CD4陽性キラーT細胞)に分化して働きを補う」のだ。

この記述を読むと、アレルギーに関わるのは「CD4陽性T細胞」であるように思える。

さらに、CD4陽性キラーT細胞の発現には「細胞の表面に存在するタンパク質の1つ」である「「CRTAM」が重要」だというのだ。

 

ここに栄養素のリジンやアルギニン(アミノ酸)、ビタミンやミネラルがどう関わっているかが問題なのだが、この論文ではそこは分からない(笑)。

 

しかしこの論文から、大きな収穫を得ることが出来たように思える。