発熱で免疫細胞が活発化する仕組みを解明
病気になったときに発熱するのは、私たち自身が病気と戦う力を増強するためかもしれない。そうした免疫のメカニズムを裏付ける分子レベルでの研究結果を、自然科学研究機構生理学研究所・岡崎統合バイオサイエンスセンターの加塩麻紀子研究員と富永真琴教授らのグループが、米国科学アカデミー紀要(PNAS)オンライン版(9日付)に発表した。
グループの研究は、体内に入った病原体や異物を食べる免疫細胞の「マクロファージ」が産出する活性酸素(過酸化水素の一種)と、その細胞膜に存在する陽イオン透過チャネル「TRPM2」の働きの関係を、温度反応性の面から解明したものだ。
TRPM2が体温近く(約37℃)で活性化する“細胞の温度センサー”としての働きをもつことは、富永教授らが2006年に明らかにしている。今回のマウスの培養細胞による実験で、TRPM2は過酸化水素が存在しない状態では48℃付近の高い温度でしか反応せず、過酸化水素があると体温の平熱域(約37℃)でも活性化するようになることをつかんだ。さらにマクロファージは、過酸化水素があると、平熱域よりも発熱域(約38℃)で強く反応することが分かった。TRPM2をなくしたマクロファージでは、平熱域と発熱域で変化はなかった。
富永教授によると、過酸化水素の作用はTRPM2に対する酸化反応で、過酸化水素がTRPM2の働きを調節する「スイッチ」の役割をしている。今回の実験では、TRPM2に作用する部位も特定された。マクロファージの働きを調節する新たな薬剤開発や治療戦略を提供できる可能性が出てきたという。
https://scienceportal.jst.go.jp/newsflash/20120411_02/index.html
ここでは、「「マクロファージ」が産出する活性酸素(過酸化水素の一種)」と言われているのだが、『病気の地図帳』(講談社)には好中球が活性酸素やタンパク分解酵素を放出して傷害すると記されている。
感染の最初に働くのが好中球だから、この時の活性酸素はスーパーオキシドなのかも知れない。好中球によってスーパーオキシドが放出された後、体内に亜鉛、銅、マンガンなどの栄養素がある場合、スーパーオキシドジスムターゼが合成され、スーパーオキシドを消去する。消去されたスーパーオキシドの一部が過酸化水素へと変換される。
この過酸化水素存在下で、マクロファージは平熱域よりも発熱域(約38℃)で強く反応するということだ。
つまり、過酸化水素存在下では、細胞の温度センサーであるTRPM2が体温近く(約37℃)で活性化され、マクロファージも反応する。さらに過酸化水素存在下では、マクロファージは発熱域(約38℃)で強く反応するのだ。
この働きには、活性酸素を消去するスーパーオキシドディスムターゼを合成する栄養素が重要になってくると思われる。亜鉛、銅、マンガン、鉄などの。
カルシウム拮抗薬や亜鉛を排出する利尿薬等、夫が4種類の薬を飲んでいた時はいつも37度前後の微熱を出していた。逆に言えば高熱を出すことが出来ないでいた。そして入院中にいつの間にかつけていた傷がなかなか治らないということがあった。
昨年利尿剤の服用が隔日になった後、引っ越しの疲れも出たせいか高熱を出した。
カルシウム拮抗薬も3日に一度で今は利尿剤も飲まなくなっているのだが、先日はまた高熱を出した。インフルエンザの検査は陰性でコロナはどうか分からない。解熱剤にアセトアミノフェンを主成分とするカロナール錠を貰ってきたのだが、病院に行った時が39度近くで一番高く、それ以後38度以上の熱が出なかったので飲まなかった。
(略)
ウイルスなどに感染して熱を出している時に、ステロイド、非ステロイドに拘わらず解熱剤や抗炎症薬を飲んでしまうとウイルスと闘えなくなって重症化するということが起こってくるのではないだろうか?
逆に、高熱が続いて肺炎や敗血症等を起こした場合はステロイド(電解質コルチコイド)が有効に働くと言えるように思う?
ミトコンドリアのスーパーオキシドディスムターゼ合成のためにはマンガンが必要だろう。
細胞質では、亜鉛と銅が必要となる。
さらに、好中球が放出するタンパク分解酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)は亜鉛が活性中心となっている。
VDによって調整されているカルシウムは、酵素合成の初期で必要なミネラルだろう。
感染症と闘うためには、これらの栄養素が必要だということだ。
しかし、高熱が続く場合は、過酸化水素を消去するグルタチオンペルオキシダーゼが合成されなくてはならない。この活性中心となるのが、セレンだ。
さらに、これら活性酸素を最終的に消去するのが、VC、VA、VEである。