meromeropy77.hatenablog.comSOD1は2つのユニットからなる二量体であるが、他の2種は4つのユニットからなる四量体である。SOD1とSOD3は銅と亜鉛を含むのに対し、SOD2はマンガンを活性中心に持つ。
亜鉛と銅は、細胞質(SOD1)と細胞外空間(SOD3)のスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)に含まれる、ということである。
マンガンはミトコンドリアのスーパーオキシドジスムターゼ(SOD2)に含有されているという。ここからマンガンは持続的なエネルギー合成に関わっていると言えるように思われる。
タンパク質の合成にだけ関わる亜鉛と比べて、マンガンはタンパク質、脂質、糖質の3つの代謝過程に関わる。またマンガンはアセチルコリンの合成に関わって、行き過ぎた好気的エネルギー代謝を抑え、嫌気的エネルギー代謝にシフトさせる。
この研究発表で言われていたのは、
1.温度センサーであるTRPM2は活性化物質が存在しない状態では、体温域では活性化しませんが、マクロファージの免疫反応によって産生される過酸化水素があると、体温域でも反応するようになることがわかりました。
2.免疫を担うマクロファージの異物を貪食する反応は、TRPM2の働きによって、発熱域(38.5℃)で、より増強することがわかりました。
この二点であるが、過酸化水素は、スーパーオキシドジスムターゼがスーパーオキシドを消去した後に発生する。
つまり亜鉛を過剰摂取すると、細胞質と細胞外空間でスーパーオキシドジスムターゼが合成され、スーパーオキシドを消去して過酸化水素を生じさせるということになる。
すると温度センサーが活性化される。そこに、ウイルスや細菌などの異物があれば発熱によってマクロファージの貪食作用を増強させるように働くということになる。
しかし、マンガンの場合は、酸素を使ったミトコンドリアでの持続的なエネルギー産生と共に、その真逆の働きである糖代謝によるエネルギー合成にも関わっているために、高熱を出させるというところに至らないのではないだろうか?