「飲酒の化学」の“慢性中毒”のところには、「ヒトの脳は、通常グルコースをエネルギー源として利用するが、大酒家の場合にはグルコースの代わりにエタノールから代謝される酢酸を主要なエネルギーとして利用する場合がある。アルコール依存症を治療するために厳格な断酒を実行した場合、主たるエネルギー源である酢酸を失い、アルツハイマー症を悪化させる可能性があり、別途の酢酸摂取の必要性の指摘がなされている。
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遺伝的にお酒に弱い体質というものがある一方で、普段は強いはずだが、その時の体調によって悪酔いするという場合がある。飲酒に纏わるあるサイトには、「空腹時や運動時など、脂肪酸のβ-酸化により、ミトコンドリア内にNADH2+が多く存在すると、NADH2+を生成するALDHによるアセトアルデヒドの分解が、滞って、アセトアルデヒド濃度が高まる。その為、空腹時などに飲酒すると、早く酔い、長く酔っていることが多くなり易い。」と記されていた。
ナイアシンは体内で補酵素となって酸化型のNADとして存在し、脂肪酸のβ酸化だけでなく、解糖系からクエン酸回路のあらゆる場面で還元されてNADHとなって存在すると思われる。このことから、ナイアシン摂取量が増えすぎた場合、空腹時や運動時に限らず体内で還元型が多くなり、アセトアルデヒドの処理が滞り、酔い易くなると考えられないだろうか。
飲酒によって吐き気や頭痛などの症状が出るのは、第一段階の代謝によって生じたアセトアルデヒドによるもののようである。亜鉛が体内に十分な場合は、エタノール→アセトアルデヒド→酢酸と第二段階の代謝までスムーズに進むために症状も出ないのではないだろうか。
また、亜鉛はあるのだけれど、第二段階の代謝までの十分な量がなくアセトアルデヒドの代謝で留まってしまった場合、頭痛や吐き気や二日酔いとなるのではないだろうか。亜鉛がほどほどにあって、ナイアシンの摂取が多いという場合が一番お酒に弱い状態のように思える。
逆に、元々亜鉛が少なくナイアシンが多い場合は、第一段階の代謝によってアセトアルデヒドが生じることもないためにお酒に強い体質のように思いがちになる気がする。お酒に強いと思い込んで飲み過ぎるために肝硬変になるというようなことが、この辺りから起こってくるように思う。
ここで、「亜鉛が体内に十分な場合は、エタノール→アセトアルデヒド→酢酸と第二段階の代謝までスムーズに進むために症状も出ないのではないだろうか」と書いたのだが、セレンが体内に多くて、甲状腺機能を亢進させている場合には、「エタノールから代謝される酢酸を主要なエネルギーとして利用する」ために、アルコール分解が速やかになされるとも言えるのではないだろうか?
ここで私が考えようとしているのは、酒さ様皮膚炎のことである。
体内がアルカリに傾いて代謝が激しくなった時点でナイアシンの多い食材を摂らせて解決しようとしてきたのだが、やはり亜鉛がほどほどにあって、ナイアシンが過度に多い場合に、「酒さ様皮膚炎」つまり目の周りが赤く腫れ上がる症状が出ていたということではなかったか?
このところビタミンB2を摂ろうとして食べる物のほとんどは、一番上に、あるいは二番目にナイアシンを多く含有する物だった。
輸入牛のサーロインステーキもナイアシン、ビタミンB6、その次に亜鉛が多い。
VB2を最も多く含有する物は魚肉ソーセージくらいしか思い浮かばない。
トリプトファンからナイアシンを合成するはたらきや…にも関与しています。
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アルコールには脂肪分解を妨げるはたらきがあるため、アルコール摂取時にはビタミンB2の必要量は増えます。脂肪の多い食事をしたときにも必要量が増えます。
つまり、「脂肪分解を妨げるアルコール」を摂取した場合と、脂肪の多い食事をした時には多量のVB2が必要になるというのである。しかもB2はトリプトファンを多く摂った時にはナイアシンの合成にも使われるというのである。
これらのことから考えて、娘はお酒は飲まないので、トリプトファンの多い物や脂肪の多い食事をし、さらにナイアシンの多い物を摂り過ぎた場合、B2不足となり酒さ様皮膚炎症状を起こすと言える。
このところ玉子豆腐(VB12とVB2)を美味しいと言っているが、ナイアシンは少なめかも知れない。
逆に、元々亜鉛が少なくナイアシンが多い場合は、第一段階の代謝によってアセトアルデヒドが生じることもないためにお酒に強い体質のように思いがちになる気がする。お酒に強いと思い込んで飲み過ぎるために肝硬変になるというようなことが、この辺りから起こってくるように思う。(https://myrtus77.hatenablog.com/entry/20161004/p1)
私はこれに当てはまるだろう。だからお酒を飲んで赤くなることもない。
体内ミネラルが少なくナイアシンが多く、酸性に傾いているから、乗り物にも酔いやすい。