ギャバ
脳の興奮を抑えるブレーキのなかで、ギャバは、もっとも頻繁に活躍する伝達物質である。バリウム、リブリウム、アクチバンなどベンゾジアゼピン誘導体の多くの抗不安薬は、ギャバ受容体にくっつき、まるでギャバであるかのごとく振る舞うことで脳を鎮静させ、感情を安定させている。
しかし、ベンゾジアゼピン誘導体を長い間服用するとギャバが枯渇し、まず、耐性が発生し、やがて依存症に移行する。ベンゾジアゼピン誘導体による依存症から回復する手だてがある。それは、枯渇したギャバを脳内に再度供給することである。(生田哲=著『心の病は食事で治す』p165)
これはつまり、ステロイド(副腎皮質ホルモン)剤を長期服用すると、体は副腎皮質ホルモンを合成していると勘違いして、合成しなくなるというのと同じではないかと思える。
GABA と グ ル タ ミ ン 酸 は と も に 代 表 的 な ア ミ ノ酸系神経伝達物質であり,グルタミン酸が興奮性であるのに対し,GABA は興奮抑制作用を発現する5)。その作用機序は,神経細胞の特異的受容体(タンパク質)である GABA 受容体に GABA が可逆的に結合することによって起こるとされている 6)。そして,GABA 受容体には GABAa 受容体と GABAb 受容体が存在することが認められている 6)。GABAa 受容体 はC l -チャ ンネ ル を有し , それが開いて 塩素イオンが細胞に入り細胞膜内が過分極になることによって興奮を抑制し,他方,GABAb 受容体は GTP結合タンパク質と共役し,アデニル酸シクラーゼ活性を抑制し Ca +チャンネルの抑制及び K +チャンネルの活性化によって,欠伸発作,記憶に関係する海馬長期増強現象,うつ病の発現に関わるとされている 6)。(https://www.jstage.jst.go.jp/article/bimi2002/2010/15/2010_32/_pdf)
「記憶に関係する海馬長期増強現象」というのは、記憶が刷新されていかないということだろうか?そうならば、自閉的傾向の人には摂りすぎは良くないのではないかと思う。
そして、「うつ病の発現に関わる」である。過ぎたるは・・だなぁ〜、と唸らされる。
「GABAb 受容体は GTP結合タンパク質と共役し,アデニル酸シクラーゼ活性を抑制し Ca +チャンネルの抑制及び K +チャンネルの活性化によって」
例えばカルシウム拮抗薬を服用していれば、「Ca +チャンネルの抑制」が起こるだろう。
そして「K +チャンネルが活性化」されれば、カリウムイオンは細胞内から血中に出てきて、そこに留められる。
これはARB系の降圧剤によって高カリウム血症になる場合があるのと同じであると考えられる。
つまりこの二つの薬を長期に飲んでいれば、記憶障害やうつ病を発症する可能性があり、さらには依存症となり薬なくしては生きられなくなる可能性も考えられる。
これらの薬を止めた直後には、ギャバを多く含有する食品を摂取すべきだと考えられる。
Gタンパク質共役型内向き整流性カリウムチャネルの中には、ムスカリン受容体によって活性化されカリウムイオンを透過するようになるものがある。これらはムスカリンカリウムチャネル(IKACh)と呼ばれる。Gタンパク質共役型内向き整流性カリウムチャネルにはGIRK1~GIRK4の4つのサブタイプがあるが、ムスカリンカリウムチャネルは2つのGIRK1と2つのGIRK4で構成されたヘテロ4量体である。
例えば、心臓に存在しているムスカリンカリウムチャネルは副交感神経のM2ムスカリン受容体によって活性化され、外向きのカリウムイオン電流を生じることで心拍数を低下させる。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%8D%E3%83%AB)