図書館で借りてきた『タウリン』という本の中に次のように記されていた。
タウリンが心臓の収縮力を強める作用には、細胞内カルシウムイオン濃度の増加が関係しています。心臓の細胞を取り出してイオンの出入りを調べるパッチクランプ法という実験から、タウリンを細胞に添加すると細胞へのカルシウムイオンの流入が増えることがわかりました。不思議なことに、細胞内のカルシウム流入が増えるのは細胞外のカルシウムイオン濃度が低い状態の時のみでした。細胞外の細胞培養液を高カルシウムイオン濃度に変えると、逆にタウリンを処置することでカルシウムイオン流入は低下しました。細胞での結果と同じように、動物の心臓を用いた実験でもカルシウムイオン濃度の低い灌流液を心臓に流した場合にはタウリンは収縮力を増大させるのですが、カルシウムイオン濃度の高い灌流液で処置した場合はタウリンは収縮力を低下させることがわかりました。つまり、タウリンは細胞内のカルシウムイオンが少ないときには流入を亢進し、カルシウムイオンが多いときには流入を抑制し、細胞内のカルシウムイオンのバランスを正常に保つように働いていることがわかりました。(村上茂=監修、国際タウリン研究会日本部会=編著『読んで効くタウリンのはなし』(成山堂書店)より抜粋)
夫がカルシウム拮抗薬を時折飲んでいるので、カルシウムイオンの細胞内流入を調整するタウリンがやはり大事なように思った。
また、亜鉛はこのタウリンの働きを助けるようであるし、結局栄養素間の摂取バランスを考えることが最も必要であるように思われる。
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