風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

ビタミンKは血液の凝固作用にも抗凝固作用にも関わっている(覚書として)

通常、血管に傷がつくと、傷ついた部位のコラーゲンが露出し、その部分にフォンビルブランド因子(vWF)が結合する。そこに血小板がGP1b・GP2b/3aといった糖タンパク質を介して結合(血小板の粘着)、それにより血小板は活性化し、ホスホリパーゼCの活性化を介したアラキドン酸カスケードを進行させて血小板のさらなる凝集を促進、一次止血が完成します。

こうした血小板の凝集は、傷を修復するのには大切な反応なんですが、血小板が山のように凝集して血液の通り道を邪魔してしまえば、脳梗塞心筋梗塞などの梗塞疾患を引き起こします。

 

(略)

 

血液凝固反応は、血小板による一次止血で終わるわけではありません。外因系と内因系の2経路で血液凝固因子による二次止血がその後に起こります。

 

(略)

 

vWFを介して接着した血小板は、活性化血小板となると膜上に陰性荷電を持つリン脂質を露出させる。

そこをめがけて各種の血液凝固因子(上表)が集まって、リン脂質上にて血液凝固反応が進行する。実際に血小板の膜リン脂質へ結合できるのはGlaドメインを持つ凝固因子、すなわちビタミンK依存性凝固因子であり、これらの凝固因子は同時にCa2+を結合できる部位を持つ赤字表記はメロメロピーによるメモ)

 

(略)

 

血管組織が損傷を受けると、組織から組織因子(TF=Ⅲ因子=組織トロンボプラスチン)が遊離し、Ⅶ因子と会合して、直接Ⅹ因子を活性化する(組織因子の下図が少ないとⅨ因子の活性化から進む)。これが外因系のスタートになる。

 

(略)

 

内因系の凝固反応は、プリカリクレイン、高分子キニノーゲン、ⅩⅡ因子やⅩⅠ因子といった接触因子が、主にコラーゲンのような陰性荷電物質に接触することで活性化され、その後のⅨ因子、Ⅷ因子の活性化から、Ⅹ因子を活性化し、それ以降は外因系と同じ経路にて凝固反応を進行させる。組織因子非依存の凝固機序である。

内因系のⅩⅠ因子とⅧ因子は、先の外因系によるトロンビン生成の増幅反応により更に活性化、これにより凝固反応は30万倍加速される。

 

(略)

 

凝固抑制系の中核を担うのは、血管内皮細胞上のグルコサミノグリカン(ヘパラン硫酸)に存在する、TFPI(tissue factor pathway inhibitor)、AT(アンチトロンビン)、や血管内皮細胞上のTM(トロンボモジュリン)である。(略)

TFPIはK1、K2、K3ドメインを持ち、K1とⅦa因子が、K2とXa因子が結合することで両者を阻害する。さらに、プロテインSがTFPIのK3ドメインを介して結合し、APC(活性化プロテインC)非依存に抗凝固作用を約10倍促進する。

 

(略)

 

トロンビンの生成を示す指標としてTATがある。生体内の恒常的に存在するTATは0ではない。

生体内では組織外傷非依存的にⅦ因子が常に若干活性化されている状態であり、微量なトロンビンが常に作られている。

 

(略)

 

ワーファリンはビタミンKに拮抗することで、上で出てきた四つの血液凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子:水色の文字)を抑制してしまうため、Ⅶ因子阻害による頭蓋内出血のリスク(脳内にTFが多いため)や他の凝固因子阻害による他の出血のリスクも高めてしまいます。

プロテインCやプロテインSといった凝固抑制因子も阻害してしまう。

そのため、ワーファリンでは、プロトロンビン時間という血液が固まるまでの時間と、それを指数化したPT-INRを用いて、大体1.6~3.0(通常は2.0前後)に調整することで出血リスクを管理します。

ワーファリンは投与5日目くらいまでは血栓ができやすいのと、ビタミンKで中和後、もとに戻すのに1週間はかかる。

納豆、青汁、クロレラの同時摂取はワーファリンの作用を減弱させるので禁忌。市販の整腸剤に含まれる糖化菌の一つ納豆菌も禁忌。(https://kanri.nkdesk.com/drags/kesen.php

 

この記述から、ビタミンKは血液の凝固作用にも抗凝固作用にも関わっていることが分かる。

 

 出血時に血が止まるのは、血液を凝固させるはたらきがあるからです。ビタミンKもそのひとつで、血液凝固因子の合成にはたらきます。ふだんは血液の凝固を抑える成分が作用しています。この成分の合成にもビタミンKが必要です。血液を凝固させたり抑制したり、作用の裏と表にかかわってうまくバランスをとっています。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

 

1、ビタミンKは、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)により還元されビタミンKヒドロキノンになる[15]。

2、ガンマグルタミルカルボキラーゼがビタミンKヒドロキノンをビタミンKエポキシドに酸化して、同時にタンパク質中の特定のグルタミン酸残基をカルボキシグルタミン酸に修飾する。

3、生じたビタミンKエポキシドはVKORによってビタミンKに戻される。

これをビタミンKサイクルと呼び、このサイクルが常にビタミンKを再生するのでビタミンKは欠乏しにくい。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

けれど私のように、子どもの頃から、ビタミンKが含有されずビタミンEの多い魚を食べている者は、EがKの働きを阻害するのでK不足に陥るのではないだろうか?

 

ビタミンEがビタミンKの働きを阻害する(https://ipidiw.co.jp/nutrition/vitamink.html

 

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