「「発熱」には亜鉛だけでなく銅も関わっている - 風と、光と・・・」でまとめたように、病原体にたいする免疫反応によって過酸化水素が産生されることによって発熱が起こる。
この過酸化水素は、先ず体内で合成されたスーパーオキシドがスーパーオキシドディスムターゼによって消去されることで生成される。細胞質のスーパーオキシドディスムターゼは亜鉛と銅を活性中心に持つが、ミトコンドリアではマンガンを活性中心に持っているとされている。
「インフルエンザは個々の症状に合わせて診断します(『まいにち漢方』より)」でリンクしたツイートの中に、漢方医の「麻黄湯のタイミングは熱が出る前の悪寒があるとき。麻黄湯は子供が好んで飲むように、シナモンが効いてとても美味しい」というものがあった。
シナモンについては、「風邪の引き始めに、シナモン」でも、「おそらくマンガンがミトコンドリアで熱を発生させ体温を上げるのだと思われる」と書いたのだが、やはりそうだったように思う。
ジル・デイヴィーズ=著『スパイスの秘密』にも、「セイロンシナモンとカシア」の項に「風邪やインフルエンザ患者の体を温める」と記されている。しかし、この本には以下のような<警告>も記されている。
警告 最近の研究で、カシアを頻繁に摂ると、抗凝血作用のあるクマリンの摂取過剰になり、肝臓や神経系に障害が生じることが明らかになっている。(ジル・デイヴィーズ=著『スパイスの秘密』2019年6月21日初版第1刷発行(西村書店)より)
関連過去記事
↓