風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

ビタミンDの過剰症と欠乏症と、関連するホルモンについて(覚書として)

 ビタミンDの摂取が不足すると、小腸でのカルシウム吸収量が減少し、さらに体内でのカルシウム利用度が低下する。その結果、小児ではくる病(成長障害、O脚などの骨変形がおもな症状)、成人では骨軟化症(筋力低下や骨の痛み、骨変形がおもな症状)が引き起こされる。ビタミンD欠乏が長期にわたって続くと、骨粗しょう症のリスクが高まる。これは、ビタミンD欠乏により体内のカルシウムが不足すると、骨吸収が促進されて骨形成を上回り、骨密度が低下することによる。

 過剰摂取では、高カルシウム血症、腎障害、軟組織の石灰化障害などが起こる。乳児では、多量のビタミンD摂取によって成長遅延の可能性が指摘されている。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p146)

 

ビタミンD3は、ヒトの皮膚細胞においても、紫外線によってプロビタミンD(7-デヒドロコレステロール)から生成される。そのため、日光を浴びる機会が多い人は、食事からのビタミンD摂取量が少なくてすむ。(p147)

 

 血中カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンのパラトルモン(RTH)の分泌が促進される。パラトルモンは、尿細管でのカルシウム再吸収およびリン排泄を高め、さらに活性型ビタミンDの産生を増加させ、活性型ビタミンDによる腸管からのカルシウム吸収を促進する。また、骨吸収を促進して、カルシウムやリンの骨からの溶出を増大させる。

 血中カルシウム濃度が上昇すると、甲状腺からカルシトニンが分泌される。カルシトニンは骨吸収を抑え、骨からのカルシウム溶出を抑制する。また、骨形成を促進し、血中カルシウムの骨への移行を促進する。(p186)

   

カルシトニン(CT)は、濾胞の外側にある濾胞旁細胞から分泌されるホルモンで、血清Ca濃度を低下させ、骨からのCa、Pの放出を抑制し、骨新生を促進させます。尿細管からのCa++、PO4−−−、Na+、Cl−の排出を増加させます。その結果、細胞外液は減少し、血中レニンは増加し、アルドステロンの分泌増加となります。(堺章『目でみるからだのメカニズム』p101)

 

カルシトニン(CT) 甲状腺から分泌されるホルモンで、①破骨細胞の形成と活性を抑制し、骨吸収を阻害、②骨芽細胞・骨細胞を収縮させ、血中Caの骨への移動を促進し、骨新生を促進、③骨からのカルシウムの放出を抑制して、血中Ca濃度を減少させます。このように上皮小体ホルモンとカルシトニンは、互いに拮抗的に働きます。

活性型ビタミンD〈1α、25(OH)2D3〉
ビタミンD(V.D)は、骨代謝に関係するホルモンとさえいわれ、骨にとって重要なビタミンです。V.Dは、そのままでは、なんの作用も示さず、この作用を示すためには、肝臓で水酸化された後、腎臓で活性型V.Dに変わる必要があります。血中に分泌された活性型V.Dは、腸管からのCaの吸収を促進し、骨へのCa沈着を進め、骨形成を促進します。また、血清Ca濃度が低下すると、骨吸収を促進して骨のCaを血中に放出し、血清Ca濃度を高めるという両面の働きをします。つまり、破骨細胞と骨芽細胞の双方を活性化し、骨の代謝を活発にするホルモンです。
V.Dが欠乏すると、発育期では骨端軟骨部の石灰化が抑制されてくる病に、成人では大量の未石灰化の類骨が増加して骨軟化症になります。年をとると、腎臓での活性型ビタミンDの生成は減少します。(p121)

赤字表記は、管理人メロメロピーのメモ)

 

 カルシウム代謝に関与するビタミンは、ビタミンD、K、Cである。 

 活性型ビタミンDは、腸管でのカルシウム吸収を高める。また、骨の代謝回転や、腎尿細管でのカルシウムやリンの再吸収を促進する。また、骨の構成成分であるコラーゲンの合成にはビタミンCが、骨のたんぱく質に含まれるオステオカルシンの生成にはビタミンKが必要である。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p181)

 

 リンを多量に摂取した場合は、副甲状腺機能の亢進を引き起こす。過剰摂取が長期にわたって続くと、カルシウムの腸管吸収阻害がみられる。また、急激な血中リン濃度の上昇によって血中カルシウムイオンが減少し、腎結石や慢性腎不全の一因となったり、加齢にともなう骨折の危険度を増加させたりもする。(p189)

 

パラトルモン副甲状腺ホルモンで、上皮小体ホルモンとも呼ばれる。

血中カルシウム濃度低下に伴って、分泌される。

活性型ビタミンDの産生を増加させ、骨吸収を促進。

 

カルシトニンはサイロキシンとは働きの異なる甲状腺ホルモン。

骨新生を促進する。

 

私がここで確認したかったのは、ビタミンKは骨形成と血液凝固に関わっているが、ビタミンDはどうだったか?ということだった。

ビタミンDは間接的には血液凝固にも関連しているかもしれないが、直接的には骨代謝だけに関わっている、と確認した。そして、その場合、「破骨細胞と骨芽細胞の双方」に関わっている、ということだ。

 

 

 副甲状腺甲状腺と関連があるの?https://www.kango-roo.com/learning/3711/