風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

主食によって異なる感染症との戦い方と、アトピー性皮膚炎における炎症

注意!以下に記す高含有の栄養素というのはミネラルとビタミンに限って記したものです。

 

パン等に用いる強力粉に最も多い栄養素はセレンで次がモリブデンである。(https://calorie.slism.jp/101020/

全粒粉、中力粉、薄力粉ではモリブデン、セレンの順に多くなる。

製品となると、食パン、フランスパン、スパデッティーではセレン、モリブデンの順に含有するが、ライ麦パンになると銅、マンガンの順となりセレンの含有が表記から外れる(https://calorie.slism.jp/101032/)。

 

一方、白米と白飯ではモリブデン、銅の順に多く含有する。

玄米ではモリブデンマンガンの順に高含有となる。

玄米にしても白米にしても銅やマンガン亜鉛に比べてセレンの含有は低めである。

 

体内にウイルス等の病原体が入りマクロファージが活性酸素過酸化水素)を産生すると、これによって体内の温度センサーが活性化し発熱する。発熱によって病原体と戦うわけだが、過酸化水素を消去する酵素を合成するセレンを多く摂り過ぎていると熱を出すことが出来ず、感染の初期の段階で十分戦うことが出来ないのではないだろうか?

 

活性酸素を放出するのは好中球であるが、好中球の合成に銅が関わっているようである。

 

過酸化水素はスーパーオキシドがSODによって消去された時点で生成するが、亜鉛、銅、マンガンがこのSOD(スーパーオキシドディスムターゼ)を合成する。

また、亜鉛がマクロファージや酵素などのタンパク質合成の段階で必要となる。

 

感染初期にウイルス等と戦うためにはこれらの栄養素が必要となるであろうが、セレンがこれらに上回ってありすぎると過酸化水素を消去してしまうために戦えないということが起こってくるのではないだろうか?

 

私がこのことに思い至ったのは、娘のアトピーの炎症を抑えるためには何を食べさせたら良いかということを考えていたためだった。

これまでアトピーに小麦類が良くないのではないかと思い、銅やマンガンの多いライ麦パンを食べさせてきたが、逆にセレンの多い普通のパンの方が炎症を抑えて良かったのではないかと最近になって考えるようになった。

ただミックス粉を使っている市販のパンを食べ過ぎると良くないということはある。ミックス粉の中に亜鉛やアルギニンを高含有する脱脂粉乳を使っている場合があるからだ。

 

 

白米にはモリブデンと銅が多いのだが、全体として含有量が低いということがある。

過去記事で餅が皮膚に炎症を起こす!というのを書いたことがあるが、成分表によると、「水稲めし」の「うるち米」ではモリブデン30㎍、銅0,10mg、マンガンが0,35mgだが、「もち米」になるとモリブデン48㎍、銅0,11mg、マンガン0,50mgとなる。さらに玄米ご飯になるとモリブデン34㎍、銅0,12mg、マンガン1,04mgと記されている。

モリブデン活性酸素を生成させて炎症を起こさせると考えられるが、もち米ではモリブデンが多く、玄米ご飯ではマンガン含有が高くなる。亜鉛も玄米ともち米では0,8mgだが、精白米のご飯では0,6mgである。

 

白いご飯にはモリブデンと銅が最も多く含有されているが日常的に食べるには少なめなのでアトピーの人にも比較的優しく、これにヒスチジンビタミンDの多い青魚を合わせると感染症と戦うための食事になると考えられる。

あるいは、水煮の大豆も銅、マンガンが多くセレンの表記がないので免疫に働く食べ物と言えるかもしれない。が、シスチンが多いと他に働く可能性もある。(挽き割り納豆にはセレンは含有されないが)納豆にはセレンが多いので過酸化水素を消去して感染症の初期にはあまり良いとは言えない。

 

小麦を主食とする地方でウイルス等に感染したと思われる場合は、主食を減らして肉や魚介を多めに摂るようにすると良いかもしれない。卵にもセレンが多いので感染の初期には摂らない方が良い。熱が出てなかなか下がらないという時には、逆にセレンの多い卵などを摂るのが良いと考えられる。

 

ライ麦パンは東欧や北欧、ロシア、オランダでも良く食べられるようだ。

イタリアはパスタとパンかな?

スペインはパエリアなどでお米も食べることが多いのだろうか?

 

娘はパンやパスタが好きだが、私は圧倒的に白米派。