生体内では主にFAD(フラビンアデニンジヌクレオチド)の形で存在し、脂質代謝(脂肪酸→アセチルCoA)に必要であるとともに、TCA回路でエネルギー代謝(新陳代謝)にかかわることで皮膚の炭水化物、タンパク質の合成に関与します。
(略)
ビタミンB2はビタミンB6、B12、葉酸とともにホモシステインの代謝にも関与している。ホモシステインは体内に存在するアミノ酸の一種として、動脈硬化の危険因子で、心血管系のリスクを増大させる。
ビタミンB2はメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)の補酵素として作用し、メチルテトラヒドロ葉酸の生成を通じて、ホモシステインの代謝に関与している。
MTHFRはホモシステイン代謝の重要な酵素であり、これの酵素活性が低いと血中ホモシステインの濃度が上昇して心血管疾患の危険が高くなる。
ビタミンB2は、メチルテトラヒドロ葉酸の生成を通じて、葉酸の活性化とビタミンB12の作用に関与し、さらに、ビタミンB6の活性化にも必要であるため、単独での欠乏症はまれで、他のビタミンB群の欠乏も合併している場合が多い。
乳製品や肉類、黄緑色野菜に多く含まれていて、熱には安定ですが、水溶性。光に不安定なので、遮光に気をつける。(https://kanri.nkdesk.com/hifuka/eiyou11.php)
ホモシステイン (homocysteine) は、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝における中間生成物である。ホモシステインの代謝には、葉酸・ビタミンB6・ビタミンB12が関与している。
メチオニンシンターゼ(MTR、EC 2.1.1.13)は、メチル葉酸を用いてホモシステインをメチオニンへと変換する。この酵素は亜鉛とコバミド(ビタミンB12)を含む。
メチル基転移酵素のBHMT(EC 2.1.1.5)は、ベタインを用いてホモシステインをメチオニンへと変換する。ベタインはジメチルグリシンになる。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%A2%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3)
管理薬剤師さんのサイトでは、ビタミンB2は「TCA回路でエネルギー代謝(新陳代謝)にかかわることで皮膚の炭水化物、タンパク質の合成に関与します」と書かれている。
柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』のp64のTCA(クエン酸)サイクルの図表を見ると、アセチルCoAからクエン酸→イソクエン酸→αーケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸に至る8箇所のうち5箇所でVB2が関与している。
そのうちVB1が関与しているのは1箇所だけである。
この他にもVB2はタンパク質からαーケトグルタル酸への変換でもナイアシン、VB6と共に働いており、脂肪酸からアセチルCoAへの変換でもナイアシン、パントテン酸と共に働いている。また、アスパラギン酸からオキサロ酢酸への変換でもVB6と共に働き、トリプトファン、リジンからアセチルCoAへの変換でもナイアシン、パントテン酸、VB6と共に働いている。
これに対してブドウ糖からピルビン酸への変換ではVB1とナイアシン、またナイアシンのみとなるが、ピルビン酸からアセチルCoAへの変換ではVB1、ナイアシン、パントテン酸と共にVB2も働いている。
夕食で、VB1とナイアシンの多い豚肉を食べると私の耳の痒みが酷くなった。しかし、ブドウ糖を分解してエネルギーを造るためにはVB1は欠かせないだろう。それで、VB1ナイアシンを多く含有する豚肉は、活動するためにエネルギーを必要とする朝食で摂った方が良いのではないかと思えた。
娘の皮膚もVB1とナイアシンの多い物を摂ると良くない気がしていたのだが、こういうことだったのだ。
さらに、クエン酸の多い物を摂り過ぎてもTCA回路でVB2が消費されて欠乏すると考えられる。
エネルギーを造るためにVB1は必要だが、合わせてVB2の多い物を摂る必要がある。
朝食で、ナイアシンやVB1の多い豚肉にVB2食材の挽き割り納豆(VK、パントテン酸)を合わせてみる。
ただ、納豆ではB1よりB2が多いが、大豆製品一般ではB1の方が多くなるので注意!
また、挽き割りでない普通の納豆ではセレン、モリブデン含有が高いので、B2独自の働きが阻害される可能性がある。
ホモシステインの代謝にVB6、VB12と葉酸が必要であることは分かっていたが、「ビタミンB2は、メチルテトラヒドロ葉酸の生成を通じて、葉酸の活性化とビタミンB12の作用に関与し、さらに、ビタミンB6の活性化にも必要」と記されているから、B2がどれだけ重要な栄養素であったか!ということが分かる。
乳製品にVB2は多いが、乳製品にはVAやモリブデンが多く、そちらに引っ張られて働かされて欠乏する可能性があるため乳製品でVB2を摂ろうとするのは考え物である。