鶏肉の中では胸肉と手羽肉にはセレンが含有されていない。ササミやもも肉には含有される。また、セレンが含有されない部位にはビオチンも含有されていない。
鶏胸肉(https://calorie.slism.jp/111219/)に最も多く含有されるのがナイアシンとビタミンKだが、鶏胸肉皮無し(https://calorie.slism.jp/111220/)になると、ナイアシンとパントテン酸になる。
パントテン酸が上位に上がるので夕飯にはどうかな?と思ったのだが、この皮なしの鶏胸肉でチキンライスを作って食べると、私は、とても良く眠れたのだった。
娘も痒かったけど、眠れた、と言う。
これはどういうことか?と考えた。
ナイアシンとパントテン酸でアセチルコリンが合成され副交感神経に傾いたからではないだろうか?と思えた。
神経細胞においては、アセチルコリンはCHT1などのコリントランスポーターを介して細胞内に取り込まれたコリンと、ミトコンドリアから出されるアセチルCoAという二つの化学物質をもとに、アセチルコリン合成酵素ChAT(コリンアセチルトランスフェラーゼ)によって合成されることがわかっている。
産生されたアセチルコリンは…。放出後は神経細胞であればニコチン受容体に、心筋細胞ならばおもにムスカリン受容体にキャッチされることは前述した。(柿沼由彦=著『心臓の力』p103~)
コリン 学習能力を改善し、記憶障害の発生を防ぐ。コリンはパントテン酸と協力して記憶物質アセチルコリンをつくる。(生田哲=著『心の病は食事で治す』p62)
川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p181の「糖質・脂質代謝におけるビタミンの関与」の図を見ると、ピルビン酸からアセチルCoAへの変換?合成?の過程に「ビタミンB1、B2、ナイアシン、パントテン酸」と記されている。この4つのビタミンBが関与していると言える。
また、p164のパントテン酸の項では、
パントテン酸は、補酵素であるコエンザイムA(CoA)の成分として、アセチル基およびアシル基の転移反応に関与する。コエンザイムAは、パンテテイン(パントテン酸にチオールエタノールアミンが結合したもの)とアデノシン一リン酸が、ピロリン酸を介して結合したもので、パンテテインの末端にあるーSH基にアセチル基あるいはアシル基を結合し、他の物質に転移するという運び屋の役目を果たしている。
コエンザイムAは、体内でアセチルCoAやアシルCoAとして存在している。アセチルCoAは、解糖系で生じたピルビン酸のアセチル基を、クエン酸回路や、脂肪酸およびコレステロールの生合成経路に渡す役目を持つ。
と記されている。
つまりパントテン酸はCoAの成分であって、アセチルコリン合成の原料として重要であるということだ。
ナイアシンは、「放出後は神経細胞であればニコチン受容体に」とあるように、受容体の合成としても、重要であることが分かる。また、神経細胞の受容体であるから、ナイアシンが多い場合、自律神経を交感神経から副交感神経に傾けると言える。
副交感神経に傾けば、気道は収縮されるから、過度な摂取は喘息などのアレルギー疾患を持っている者には要注意となる。
副交感神経に傾いたためにアレルギー症状が出やすくなり、痒みが出たかもしれない。
柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』には、「TCAサイクルと、各反応に必要な栄養素」の図で、ピルビン酸からアセチルCoAに変換される過程と、トリプトファンとリジンからアセチルCoAに変換される過程とが記されている。そちらの過程では「ビタミンB2、B6、ナイアシン、パントテン酸」が関与しているふうに表示されている。
鶏胸肉にはビタミンB6も多く含有されている。そしてアミノ酸ではリジンが多い。
コリンを多く含む食品は、
豚レバー、卵、牛レバー、大豆、ささげ、えんどう豆、牛肉、豚肉、豆腐、さつまいも、とうもろこし、牛乳
この順番で、中村丁次=監修『栄養成分バイブル』に記されている。
さて、痒みを抑えるためにはVB2よりビオチンが必要なのではないだろうか?