風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

肝臓でのカルシウム拮抗薬等の分解代謝にはナイアシンと亜鉛が必要?

 

「玄妙」といふ言葉あり細胞のうちなるうごき記せる論文(もの)

 

シトクロムP450(CPR)

シトクロムP450=特定の酸化還元酵素ファミリーに属する酵素の総称である。単にP450あるいはCYP(シップ)と呼ばれることがある。肝臓において解毒を行う酵素として知られているとともに、ステロイドホルモンの生合成、脂肪酸代謝や植物の二次代謝など、生物の正常活動に必要な様々な反応に関与している。NADPHなどの電子供与体と酸素を用いて基質を酸化することも共通である。

(略)

カルシウム拮抗剤などでグレープフルーツジュースとの併用により副作用が増強することがある。これはCYP3A4の活性が阻害され薬物の代謝が遅くなるためとされ酵素阻害と呼ばれる。逆にセイヨウオトギリはCYP3A4を誘導し薬物の代謝を速め酵素誘導と呼ばれる。このほかにもシトクロムP450が関係した薬物の相互作用がありうるので注意が必要である。その他、CYP2D6などの遺伝的多型により各種薬物の代謝速度に個人差が現れることが知られている。(ウィキペディアより抜粋引用)

 

上記内容より、カルシウム拮抗薬などを服用している場合は薬の代謝のためにナイアシン(NADPH)が必要となることが分かる。

 

チトクロムp-450は、フラビンタンパク関与のモノオキシゲナーゼである。(https://kotobank.jp/word/チトクロム-96350)

 

これによると、ビタミンB2も関与するようである。

 

ヘムは生命活動に必須な補欠分子族であるが,タンパク質から遊離したヘムは活性酸素を生じる有害な分子となるので,速やかに除去する必要がある.この系はヘム代謝系として知られており,ヘムオキシゲナーゼ(HO)によって,ヘムはビリベルジン,一酸化炭素,鉄へと分解される.この系は生命に必須な鉄の供給源として重要であり,シグナル伝達物質としての機能が示唆されている一酸化炭素の発生源でもある.ビリベルジンは,哺乳類ではビリベルジン還元酵素によって,抗酸化物質として機能するビリルビンへと転換され,植物などの光合成生物では,フェレドキシン依存性ビリン還元酵素(FDBR)によって,さまざまな光合成色素や光受容色素へと転換される.筆者らはHOとHO反応に必要な還元力を供給するシトクロムP450還元酵素,およびFDBRの一種であるPcyAの立体構造と機能に関する研究を行った.その成果について紹介する.

(中略)

この揺らぎはヘムのアナログである亜鉛ポルフィリン錯体を結合させると消失するという結果が得られた(図542, 43).すなわち,HO-1単体ではヘムポケットはopenとcloseの間で揺らいでいる状態にあり,ヘムが結合するとcloseへ,反応がビリベルジン–鉄錯体複合体まで至るとopenとなる.さらに,ビリベルジンが解離すると,また揺らいだ状態になるという基質の結合解離と酵素の揺らぎの関係性が描けた.

なお,これらの揺らいでいる箇所(ヘムポケットとCDループ)は,後に示すCPRの結合部位とよく一致する44).CPRとHO-1の相互作用解析結果は,HO-1単体ではCPRと相互作用できないことを示しており,これはHO-1単体での揺らぎに関係すると考えられる.すなわち,この構造揺らぎは単純に誘導適合的な酵素と基質の認識というだけではなくて,CPRとの相互作用も制御する玄妙な機構といえる.

https://seikagaku.jbsoc.or.jp/10.14952/SEIKAGAKU.2016.880171/data/index.html 

 

ここに書かれている内容はとても難しくて理解しきれないのだが、鉄を運搬、代謝する銅タンパク質であるシトクロムC酸化酵素等と薬の代謝に関わるシトクロムP450は相互作用し合うということなのではないかと思う。

そしてそこに関わって、亜鉛ポルフィリン錯体が結合することによってヘムの揺らぎを消失させると言われているのだから、活性酸素を生じるヘムの揺らぎをおさめるために亜鉛が必要だと言えないのだろうか?