カルシウム拮抗薬アダラート(ニフェジピン)は肝臓で代謝され腎臓への負担が少ないとされている。
夫が飲んでいるのは、長時間作用型のCR錠で一日一回10~20mgより服用を開始し、「1回40mg1日2回まで増量できる」というものである。
カルシウム拮抗薬とは、細胞膜上のカルシウムチャネルに結合し、カルシウムが細胞内に入るのをおさえて血圧を下げる薬だということである。
カルシウムは細胞の内外を出たり入ったりして体全体で働いている。
だから、この薬を飲んでいると血圧を下げるかも知れないが、体全体の働きも弱めることになる。それで私は、カルシウムが働ける時を作れるように主治医に相談して、血圧の高い時にだけ飲むように処方してもらったのだった。
けれどそれまで血圧の高い時にだけ飲むようにしていたのを、こちらに来てから、血圧が高いと脅されるので、二日半に一錠というふうに期間を詰めて飲んでいた。
肝臓で分解される型のカルシウム拮抗薬を詰めて飲み始めたので、亜鉛を排出する利尿剤の服用を止めたにもかかわらず、亜鉛が欠乏したのではないかと私は考え始めている。
『亜鉛の機能と健康』には、「臨床における亜鉛欠乏が最も早くから注目されていたのは肝疾患で、1951年には肝疾患における血中亜鉛濃度を測定した報告がある」と記されている。
肝臓におけるアルコールの分解などにも亜鉛は関わっているから、薬の分解にも関連しているだろうと思われる。
肝臓での薬の分解に亜鉛が使われるため体内亜鉛が欠乏し、甲状腺ホルモンも低下している。インスリンの生成とインスリン受容体の形成にも亜鉛は関わっているから、血糖値にも影響が出ているのだと考えられる。
やはり最終的には薬との戦いだと思われる。
参考サイト
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http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2171014.html
肝類洞壁に存在する肝星細胞の活性化は肝線維化を促進するが、特に亜鉛欠乏によってコラーゲン合成能が亢進し肝硬変へと進展する要因になる。(『亜鉛の機能と健康』)
これは、体内亜鉛と銅の割合に関連している。
コラーゲンは銅とビタミンC等の働きによって合成される。
亜鉛が欠乏し銅の割合が高まることでコラーゲン合成能が亢進して肝硬変が発症すると考えられる。