ビタミンB12の多い牛肉には葉酸の多い物を合わせたいと思うのだが、牛肉はビタミンEに比べてビタミンKの方を多く含有しているので魚に合わせた菜の花などの葉野菜を合わせるのは違うように思える。
成分表で確認すると、茹でた菜の花100gでビタミンKは250㎍、焼いた和牛モモ赤身肉では10㎍なのだが、菜の花で100g摂るより肉で100g摂る方が摂りやすいということがある。
また、『しっかり学べる!栄養学』の「ミニ知識」には次のように記されている。
ビタミンKを必要とする血液凝固因子はⅡ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹであるので、「肉納豆(にくなっとう)」と覚えるとよい。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p176)
だから牛肉には、ビタミンKが少なく葉酸の多い野菜を合わせたいのだが、これがなかなか難しそうである。
その前になぜB12の多い物には葉酸の多い物を合わせるのか確認しておこう。
ビタミンB12の補酵素であるメチルコバラミン、葉酸の補酵素であるテトラヒドロ葉酸は、いずれも造血作用に必要である。これらのビタミンが欠乏すると、巨赤芽球性貧血を引き起こす。
メチルコバラミンは、ホモシステインにメチル基を転移してメチオニンに変換するメチオニン合成酵素の補酵素として働く。その際、メチル基の供与体として、テトラヒドロ葉酸の誘導体の1つであるメチルテトラヒドロ葉酸が必要となる。また、ホモシステインからシステインへの代謝には、ビタミンB6の補酵素PLPも必要となる。ビタミンB12、葉酸、B6のうち1つでも不足すると、高ホモシステイン血症となる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p176)
ホモシステインをメチオニンへと戻すためにB12と葉酸が一緒に働くのだ。ホモシステインをシステインに変換する時にはB6が必要となる。B6だけを考えるなら、魚にも牛肉にもB6が比較的多いので他と組み合わせる必要もないように思えるのだが、巨赤芽球性貧血のことを考えるなら、葉酸が必要になると思われる。
ここで登場するのが、ニンニクだ。
ニンニクに最も多いのがビタミンB6で次に多いのがモリブデンなのだが、葉酸が次に多い。そしてビタミンEは含有するがKは含有しないのである。
しかし私は過去の経験からなるたけニンニクに頼ることはしたくない。そこで色々調べてみると、根菜にはビタミンKは含まれておらず逆にEが多く、比較的葉酸を多く含有する物があることが分かった。
大根では大根おろしも含めて最も多いのが葉酸で次がビタミンCだった(https://calorie.slism.jp/106134/)。
ゴボウでは、銅が最も多く、次に葉酸が多い(https://calorie.slism.jp/106084/)。
だからこんな料理は良いかもしれない。
私は過去にこんな記事を書いているのだが・・。
さて他に、果物にはビタミンEが多く、葉酸が多い物がある。
イチゴ、オレンジ、キウイ、さくらんぼ、プルーン等。これらは乾燥した物でなく生に多い。が、柿だけは生より干し柿の方に多い。
成分表では果物の中に記載されているアボカドにも葉酸が多い。牛肉と根菜の煮物に、わさび醤油で和えたアボカドを組み合わせても良いかもしれない。私はこんなものを買ってきたが・・。
葉酸はレバー類には飛び抜けて多いが、肉類には少ない。しかし卵黄には高含有されている。卵黄の生で葉酸140㎍。さすが細胞分裂に関わる栄養素だけある。
ただし、卵にはビタミンEよりKの方が多く含有されている。すき焼きに生卵と思ったが、ビタミンK過多になりそうだ。むむむぅ〜難しい!
そうだ!牛脂でなくオリーブオイルを使ってはどうか?牛脂だとKの方がEより多くなってしまうけど、オリーブオイルだとEの方が多い。スーパーでは牛脂を付けてくれないので、こちらに来てからずっとオリーブオイルですき焼き作ってたけど・・(ちょっと悲しい)。