風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

またしても、矛盾が生じる(アトピーとの闘い最終章)

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ステロイド(副腎皮質ホルモン)内服薬を飲んでいた頃の娘はしょっちゅう風邪を引いていたと言っていた。

風邪を引くというのは、自然免疫が落ちているということだろう???

10年も経って、このところまたその事を考えているのだが・・。

 

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先ず、過去に引用した以下の二つの記述で矛盾があることに気づいた。

ヘルパーT細胞が持つ2つの顔
(略)
一方の「Th2」細胞は、ダニやカビ、花粉などのアレルゲンに反応します。
B細胞を活性化させて、抗原を退治するため抗体をつくります。
その際、指令物質として、「Th2細胞」からは「IL-4(インターロイキン4)」が分泌され、B細胞に抗体を作るよう指示を出します。
免疫バランスが崩れ、Th2細胞が過剰になるとアレルギー症状が起こるのです。
しかし本来、体は、どちらか一方の反応が過剰にならないように、それぞれの細胞から分泌される「IFN-γ」と「IL-4」のサイトカインがお互いの働きを抑制し合うようにも働いています。そうして、Th1細胞とTh2細胞による獲得免疫のバランスは保たれているのです。http://immubalance.jp/about/immunity-5/

 

 

ステロイド薬はTh1、Th2のいずれをも制御するが、自然免疫、すなわちTh1の抑制作用が強い。このため急性炎症の鎮静化には優れるが、長期使用を行えばTh2反応へのシフトが起こり、アレルギー疾患憎悪の方向に働く可能性がある。(『ステロイド外用薬パーフェクトブック』)

 

上のリンクの引用では、「Th1細胞とTh2細胞による獲得免疫」とされているのだが、『ステロイド外用薬パーフェクトブック』では、「自然免疫、すなわちTh1」とされている。リンパ球T細胞は同じリンパ球のB細胞と連携して抗体を作るから、自然免疫というより獲得免疫ではないかと思う。明らかにこれは『ステロイド外用薬パーフェクトブック』に間違い、あるいは混乱があるように思われる。

 

私は、ずっと、Th1はⅠ型(即時型)アレルギーに、Th2はⅣ型(遅延型)アレルギーに関連しているのではないかと考えていた。

そうすると、『ステロイド外用薬パーフェクトブック』の「ステロイド薬はTh1、Th2のいずれをも制御するが…Th1の抑制作用が強い。このため急性炎症の鎮静化には優れるが、長期使用を行えばTh2反応へのシフトが起こり、アレルギー疾患憎悪の方向に働く可能性がある」の中の「急性炎症の鎮静化には優れる」という部分が活きてくるように思える。

しかし上にリンクしたサイトを見てみると、Th1細胞は、「細菌やウィルスなどの異物に対して反応」すると記されている。それなら「自然免疫」という言葉があてはまるようにも思える。言葉の用い方、命名の仕方というのは本当に難しいと言える。

 

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Ⅰ型(即時型)アレルギーではヒスタミンなどが放出されるということだが、ステロイド薬がTh1をより抑制するという理論が正しいと考えれば、上のこの図のドーパミンから副腎皮質ホルモンを合成する過程とも関連してくると思える。

この10年ずっと考え続けてきた生田哲氏の著書から改めて抜粋引用してみよう。

 低ヒスタミンは銅の過剰によって発生する。そこで銅の過剰を抑えるために、ビタミンCとナイアシンを投与したところ、ヒスタミンを正常範囲内におさめることができた。(『心の病は食事で治す』p48)

ドーパミンを合成するまでの過程でナイアシンが必要となる。

ドーパミンが合成された時点では、血中のヒスタミン値が低く銅値が高い状態であり、このままの状態が続くと統合失調症の一つの型が定着してしまうというのである。そこでビタミンCを投与するとヒスタミン値を上げ銅を下げることが出来たというのだ。

ドーパミンからノルアドレナリンに変換する過程でドーパミンβヒドロキシラーゼという銅タンパク質が必要となるが、ビタミンCを投与することで銅が銅タンパク質として消費されるからである。

ドーパミンからノルアドレナリンに変換された時点では、ヒスタミン値は上がっているということになる。

ここにメチオニンビタミンB12を投与するとアドレナリンへと変換される。

中村丁次監修の『栄養成分バイブル』の「メチオニン」の項には、「ヒスタミン血中濃度を下げる作用をします」と記されている。

ノルアドレナリンがアドレナリンに変換される過程でヒスタミンが何らかの形で関わっている。メチオニンと共に変換に使われて消費されるということかも知れない。

さて、栄養素による順当な変換とは別に、ストレスが加わるとアドレナリンが分泌され、副腎皮質ホルモンの中の糖質コルチコイドの分泌量が増す(『目でみるからだのメカニズム』p101)というのだ。糖質コルチコイドには抗炎症作用、抗アレルギー作用(p100)があると記されている。

この副腎皮質ホルモンの合成に必要なのが、パントテン酸とビタミンCである。

つまり、アレルギーや痒みなどを引き起こすヒスタミンが、副腎皮質ホルモン合成途中のアドレナリンの合成で消費されると共に、副腎皮質ホルモン(糖質コルチコイド)自体によっても、排出されるか消費されるのではないかと思われる。

 

明らかに副腎皮質ホルモンはTh1を抑制すると言えるように思うのだが、ここで、私の中に矛盾が生じてくる。

パントテン酸は副腎皮質ホルモンを合成する→副腎皮質ホルモンはTh1をより抑制する→Th2が過剰となりアレルギー疾患憎悪

と考えていたのだが、パントテン酸はⅣ型(遅延型)アレルギーである接触性皮膚炎を改善するというのだ。

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これは、やはり注意深く食べ物をチェックしながら、体験的に考えていくしかない、か〜。