ニンニクと一緒に炒めたじゃが芋料理を無性に食べたくなった。それで作ってニンニクも一かけ二かけ食べたら、その晩は問題なかったのだが、翌朝、布団から起き上がる時に目眩がする。起きてからもしばらく良くない。方向転換したり首を回したりすると目が回る。それで、ビタミンB12がやられて起立性調節障害(低血圧)になったと思い、買い置きしてあるクラムチャウダーを作って飲んだ。その日は、しばらくして効いてきたのか治まった。
色々考えていると、ニンニクを食べる前日か前々日かに、これも久しぶりに納豆を食べたのだった。
ニンニクと納豆に共通する事柄がいくつかある。どちらもB12が少ない、ニンニクには皆無。亜鉛と銅の割合が3:1とか5:1で銅の含有が高くなる。また、どちらもメチオニンに比べてアミノ酸のシスチンが多く含有されている。加えてヒスチジン含有が少ない。
自分のブログの過去記事を読み直して、新しく調べてみると、以下のようなものを見つけた。
https://www.nobelpharma.co.jp/general/willson/03.html
小腸から体内に取り込まれたCu(銅)は、肝臓でセルロプラスミン(Cp)という蛋白質と結合し、血液中に流れます。しかし、身体の色々な臓器に銅を供給することはしません。鉄の酸化作用を担います。
血中の銅の95%はセルロプラスミン結合銅です。実際に、銅を全身の臓器に供給する役割は、アルファミンやヒスチジンなどであり、血中の約5%を占めます。その一部は尿から体外に排泄されます。利用されたCu(銅)や過剰のCu(銅)は、肝臓から胆汁を経て便として体外に排泄されています。過剰に摂取すると急性や慢性の銅中毒になります。
ウィルソン病は慢性銅中毒によく似ています。ふつうの人(ウィルソン病でない人)の食事中の銅は、十二指腸や小腸上部で吸収され、肝に運ばれます。肝にて、銅は、セルロプラスミンという銅結合蛋白質となり、血液中に流れて行きます。また、脳や骨髄(造血器)など全身の諸臓器に必要量が分布し、過剰な銅は肝から胆汁中に排泄され平衡を保っているのです。
ウィルソン病は、肝にて胆汁中へ銅が排泄されない、銅がセルロプラスミンと結合しないという欠陥があります。
そのために、肝に銅が貯まり、さらに血液中のセルロプラスミンが低値になります。
セルロプラスミンはタイプ3銅であるが、ウィキペディアの「銅タンパク質」によると、タイプ3銅は、「複核構造であり、どちらの銅にも3つのヒスチジンが配位している」と記されている。
銅はセルロプラスミンによって運ばれるのではなくヒスチジンによって運ばれるのだとしても、どちらにしても銅が体内に蓄積されず排泄まで滞りなく運搬されるためにはアミノ酸のヒスチジンが必要だと言えるように思う。
銅過剰症による溶血性貧血
赤血球は通常、鉄と結合しているため赤色を呈していますが、溶血すると黄色色素と結合し黄疸が発症します。
銅過剰症としてのウィルソン病について調べていると、治療に亜鉛製剤を使用するというようなことが書かれている。やはり銅の蓄積を亜鉛によって予防・改善することが出来るということだ。
以下のサイトには、亜鉛がアルブミンによって運ばれるということが記されている。
http://www.jscn.gr.jp/pdf/aen20170613.pdf
食事中の亜鉛は主に十二指腸,空腸で吸収され, 吸収率は20 ~ 40%程度である.
吸収過程で銅と拮抗することが知られている.
腸管より吸収された亜鉛は血中に入り,アルブミンあるいはα2マクログロブリンと結合して全身の臓器に運ばれる.
肝臓や腎臓に運ばれた亜鉛は細胞内でメタロチオネインと結合して細胞内恒常性を保つ.
亜鉛の吸収は,一緒に摂取する食物中物質によって影響を受ける.
種子,米ぬかや小麦などの穀類,豆類などの植物由来の食品に多く含まれるフィチン酸は,亜鉛と非水溶性の複合体を作ることにより亜鉛の吸収を阻害する.
また,カルシウム,乳製品(食品に含まれるカルシウム),食物繊維,コーヒー(タンニンを含む),オレンジジュース,アルコールなども亜鉛の吸収を妨げる .
一方,肉類,魚類に多く含まれる動物性蛋白質(ヒスチジン,グルタミンなどのアミノ酸),クエン酸,ビタミンC などは亜鉛の吸収を促進する.
亜鉛はヒスチジンによって吸収促進されるということだし、銅は全身に供給されるためにヒスチジンを必要とするようなので、この辺りで亜鉛と銅が拮抗することになると考えられる。