栄養素のサイトのビタミンB1の「働き・効果」に、「乳酸の代謝を助ける」と記されている。(http://ipidiw.co.jp/nutrition/vitaminb1.html)
しかし、川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』の図を見ても、柏崎良子=著『栄養医学ガイドブック』の図を見ても、乳酸をピルビン酸に戻す所に関わるのは、ナイアシンのみの記載になっている。
乳酸とピルビン酸との相互変換に関わる乳酸脱水素酵素(LDH)についてはこれまでにも何度も取り上げてきたのだが、この酵素に関わるビタミンはナイアシンのみと思われる。
しかし、『栄養医学ガイドブック』の「ビタミンB1」の項には、「細胞が取り込んだブドウ糖が「細胞の発電所」であるミトコンドリアに入るためには、ビタミンB1のはたらきが必要です。不足するとピルビン酸は乳酸となりやすく、肩こりや筋肉痛が起こる原因となったり、ブドウ糖に戻って血液中のブドウ糖が細胞に入る作用を抑えたりします」と記されている。
つまり、ピルビン酸が乳酸に変換されていくのでなく、ピルビン酸から次のアセチルCoAへと変換されるためにVB1が必須となるということなのだ。
このピルビン酸脱水素酵素には、B1、B2、ナイアシン、パントテン酸が必要。
だから、ビタミンB1は「乳酸を分解する」ではなく、「乳酸の代謝を助ける」と記されているわけだ。
若い頃アルカリに傾いていた夫の体は、甲状腺の薬を飲み続けて亜鉛を排出したためにアシドーシスに傾いてしまっていたのだ。そして、アシドーシスで起こってくる病気になったのである。「腎不全」、「乳酸産生増大」、「呼吸器疾患(喘息のような咳が続いた)」、そして前回は「糖尿病」も併発しかけていた。