風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

メラニンについて(『目でみるからだのメカニズム』よりメモ)

産生されたメラニン色素の大部分は、ケラチン細胞、特に基底細胞や毛球の細胞に入りますが、一部は真皮のメラニン摂取細胞(色素保有細胞)に摂取されたのち、血管またはリンパ管に入り処理されます。

長く紫外線を受けると、角質層は厚くなり、弾力性を保つ真皮のコラーゲンが破壊・黄色変性し、しわやシミができ、30歳ごろから皮膚の老化が進みます。メラニンは、この有害な紫外線を吸収し、紫外線の真皮侵入を防ぎますが、紫外線を過度に受けるとメラニン生成が高まり、メラニン沈着の増加を招きます。

ビタミンCは、このメラニン生成を抑え、生成されたメラニンを還元し色を薄くするとともに、日やけなどで乱れたコラーゲンの修復・維持に役立ちます。

●皮膚の色調は、主として表皮のメラニンの量に左右され、メラニン沈着は白人に少なく、黒人に多く、黄色人種はその中間です。

 

皮膚は、老化とともにリポフスチンという黄色の色素が蓄積します。これが老人にみられるシミ若しくは老斑です。ビタミンEには、この色素の生成を抑制する作用があるため、欠乏するとリポフスチン生成が急激に増大します。また、ビタミンEは、表皮のケラチン細胞でメラニンの産生を促す活性酸素ができるのを抑え、メラニンの増加を間接的に抑えます。一方、無色の還元メラニンが、メラニンに戻るのを防ぐビタミンCの働きを、間接的に助ける作用があります。このようにビタミンEはビタミンCと共同して色素沈着(シミ・ソバカスなど)を防ぐ効果があるのです。(堺章『目でみるからだのメカニズム』(医学書院)より抜粋)

 

 

 

 

 

スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)と細胞質とミトコンドリアについて(メモ)

活性酸素は呼吸をしているだけで生じるものだが、紫外線に当たる等の酸化ストレスによっても生じる。

スーパーオキシドディスムターゼ (Superoxide dismutase, SOD) は、細胞内に発生した活性酸素を分解する酵素である[2]。

(略)

SODは、スーパーオキシドアニオン(・O2-)を酸素と過酸化水素へ不均化する酸化還元酵素である。活性中心に銅(II)イオンと亜鉛(II)イオン(Cu, ZnSOD)、またはマンガン(III)イオン(MnSOD)や鉄(III) イオン(FeSOD)のように二価または三価の金属イオンを持った酵素で、細胞質(Cu, ZnSOD) やミトコンドリア(MnSOD)に多く局在している。酸化ストレスを減少させる役割を持つ。(略)生成した過酸化水素はカタラーゼやペルオキシダーゼなどによって分解される。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AA%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%83%89%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%B9%E3%83%A0%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%82%BC

 

ミトコンドリア(英: mitochondrion、複数形: mitochondria、中: 線粒體)は真核生物の細胞小器官である。二重の生体膜からなり、独自のDNA(ミトコンドリアDNA=mtDNA)を持ち、分裂、増殖する。mtDNAはATP合成以外の生命現象にも関与するほか、酸素呼吸(好気呼吸)の場として知られている。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%88%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%82%A2

 

細胞質(さいぼうしつ、cytoplasm)は、細胞の細胞膜で囲まれた部分である原形質のうち、細胞核以外の領域のことを指す。細胞質は細胞質基質の他、特に真核生物の細胞では様々な細胞小器官を含む。細胞小器官の多くは生体膜によって他の部分と隔てられている。細胞質は生体内の様々な代謝や、細胞分裂などの細胞活動のほとんどが起こる場所である。

(略)

細胞小器官は生体膜で包まれた、細胞中で固有の機能を持つ部分である。主要な細胞小器官としてはミトコンドリア、小胞体、ゴルジ体、リソソームなどがある。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E8%83%9E%E8%B3%AA

 

細胞質では、亜鉛と銅を活性中心に持つスーパーオキシドディスムターゼが、ミトコンドリアではマンガンと鉄を活性中心に持つスーパーオキシドディスムターゼが局在している。

 

 

 

 

 

 

 

シスチン(システイン)について(メモ)

シスチン(英: cystine)は、アミノ酸の1種の3,3’-ジチオビス(2-アミノプロピオン酸)である。この分子は、2個のシステイン分子が水硫基(–SH)の酸化によって生成するジスルフィド結合(S–S)を介して繋がった構造を持つhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%B3

 

食品成分表にはシスチンと記載されている。

 

システイン (cysteine、2-アミノ-3-スルファニルプロピオン酸) はアミノ酸の1つ。チオセリンとも言う。略号は C や Cys。天然にはL-システインとして、食品中タンパク質に含まれるが、ヒトでは必須アミノ酸ではなくメチオニンから生合成される。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%82%A4%E3%83%B3

 

メチオニンから変換されてくるが、変換されるためにはビタミンB群等の栄養素が必要となる。

 

 

アミノ酸サプリの「システイン」に糖尿病を招くおそれ

 L-システインは髪や爪に含まれるアミノ酸の一種で、抗酸化作用があり、シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、二日酔いなどに効果があるとされ、サプリメントとして販売されている。

 研究チームは、2型糖尿病患者の一部で、血液中のL-システインが長期的に増えることに着目し、L-システインがβ細胞のインスリン分泌不全に関わっていることを突き止めた。

 膵臓のβ細胞を高濃度のブドウ糖で刺激すると、短時間に多量のインスリンを分泌し、続いて少量のインスリン分泌が長時間続く。2型糖尿病では、この二相性のインスリン分泌が失われている。

 研究チームは、血液中のL-システインが増えるとβ細胞からのインスリン分泌が抑制されることを、マウスのβ細胞を使った実験で明らかにした。

 これが長期に及ぶと、細胞内でL-システインが増え、グルコース分解過程の最終産物であるピルビン酸やクエン酸回路の代謝物量が減少するという。β細胞のインスリン分泌不全を引き起こし、2型糖尿病が悪化するおそれがある。

 β細胞を用いた実験では、L-システインを取り除くと、インスリン分泌は1時間半程で回復した。L-システインは、インスリン分泌を調節している新たな制御因子である可能性があるという。

 L-システインは"美肌効果がある""二日酔いを緩和する"などとして、サプリメントなどで幅広く服用されている。糖尿病の人が利用すると、糖尿病の悪化につながる可能性がある。サプリメントや健康食品にどのような成分が含まれるか、よく確かめた方が良い」と研究者は述べている。

 研究は、東京大学大学院総合文化研究科の村田昌之教授、中津大貴氏、堀内雄太氏によるもの。「米国科学アカデミー紀要」(PNAS)に発表された。https://dm-net.co.jp/calendar/2015/023128.php

 

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肉類では、鶏むね肉にヒスチジンが多い

「日焼けによる炎症予防に背の青い魚(アトピーとの闘い最終章)と書いてきたのだが、肉類では鶏むね肉にヒスチジンが多く含有される。

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サラダチキンを使って、                    f:id:myrtus77:20210501104709j:plain

 

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エリンギをソテーしてのせ、その上にスライスしたサラダチキンを、そのまた上にスライスチーズをのせて・・。

 

背の青い魚でも、開き干しにした物ではヒスチジン含有量が落ちる。

これは、干すことによってヒスチジンが酸化してヒスタミンに変換されるためではないかと思われる。

ヒスタミンは即時型アレルギーを引き起こす神経伝達物質なので、ヒスチジン食材を摂る場合にはこのことにも注意が必要となる。

 

また、煮るより焼く方がヒスチジン含有が上がる。

香川明夫=監修『食品成分表2017 資料編』によるヒスチジン量は、

 

まさば(生)で、    1300mg。

   (水煮)で、1400mg。

   (焼き)で、1600mg。

塩さばで、    1200mg。

開き干しで、    860mg。

 

となっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

抹茶に多いビタミンK( フィロキノン )について(日焼け防止との関連で)

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メラニンは、この有害な紫外線を吸収し、紫外線の真皮侵入を防ぎます。(堺章『目でみるからだのメカニズム』)

 

Lードーパからチロシナーゼによって変換されるドーパキノンの「キノン」はビタミンKのことではないかと思われる。

真性メラニン色素を造るためにはビタミンKも必要であると考えられる。

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以下のURLは、清水宏=著『あたらしい皮膚科学:第2版』(中山書店)という書籍からのものである。

http://www.derm-hokudai.jp/textbook/pdf/1-04.pdf

ここには、チロシンからメラニンを合成する過程でシステインが存在すると、フェオメラニン(黄色メラニン)という悪性腫が合成されると記されている。やはりシステインの存在が良くないように思われる。

  

ビタミンK(http://ipidiw.co.jp/nutrition/vitamink.html
  脂溶性ビタミン
緑黄色野菜・海藻類・緑茶・植物油などに含まれるビタミンK1 (フィロキノン)
腸内細菌により合成されるビタミンK2 (メナキノン)

効果・効能
コラーゲンとカルシウムを結び付ける

不足・欠乏(原因)
ビタミンEがビタミンKの働きを阻害する

 

抹茶(https://calorie.slism.jp/116035/
特筆すべき栄養素:ビタミンK、葉酸

 

ピロロ・キノリンキノン(PQQ =Pyrroloquinoline quinone)は酸化還元反応に関与する電子伝達体です。1964年にJ.G. Haugeらにより、細菌のグルコース脱水素酵素に含まれるニコチンアミドとフラビンに次ぐ3番目の酸化還元補酵素として見出されました。PQQ必須アミノ酸であるリジンの分解に関わる酵素を助けています。PQQを含まない餌を与えたマウスは、成長が悪く、皮膚がもろくなり、繁殖能力が減少します。

ちなみに脂溶性ビタミンのビタミンKはキノイドの一つです。天然のものはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)があります。

ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、ビタミンK2は腸内細菌から生産されます。これらは血液凝固や丈夫な骨づくりに不可欠です。

このようにキノンは生物学的に重要な物質です。キノンは光合成の光化学系I・光化学系II などの電子伝達系において、電子受容体としての働きをしています。光化学系I には2対のフィロキノン、光化学系II には2対のプラストキノンが存在します。http://levin2018.xsrv.jp/wp/%E3%83%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%81%8C%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B/

 

ビタミンK1(フィロキノン)は「植物の葉緑体で生産され」と記されているので、緑の野菜に多く含まれると考えられる。

緑の葉物野菜や、キュウリ(https://calorie.slism.jp/106065/)、ピーマン(https://calorie.slism.jp/106245/)等。

しかし赤い物や黄色い色の野菜にはビタミンEの方が多いので、赤ピーマンと黄色いピーマンはビタミンC、E食材となる。

 

果物にも、ビタミンKはほとんど含まれず、ビタミンEやCが多くなる。

緑色のキウイにもビタミンKは含まれていない(https://calorie.slism.jp/107054/)。

 

ビタミンK2(メナキノン類)は「腸内細菌から生産されます」と記されている。納豆にはビタミンKが多いが、アミノ酸のシスチンが多いので日焼けによる火膨れ防止のためには納豆はあまりお勧めではない。

 

 

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ループ利尿薬とアルブミンと亜鉛とネフローゼの関係(メモ)

利尿薬:尿の排泄をスムーズにする薬剤で、乏尿やむくみ(浮腫)の改善に「ループ利尿薬」が用いられます。腎臓の血流量と糸球体ろ過量を減少させない薬剤です。このような『利尿薬』で効果が得られないネフローゼ症候群のむくみを改善するために、「濃縮アルブミン製剤」という血液製剤が併用されることもあります。

https://www.asahikasei-pharma.co.jp/health/kidney/treatment/medicine.html

 

ループ利尿薬の特性を知る

A.血液中ではアルブミンと結合し、近位尿細管上皮細胞を経由して尿細管腔中に分泌される
B.ヘンレループ上行脚太い部のNKCC2輸送体を阻害⇒Na利尿効果
C.マクラデンサのNKCC2輸送体を阻害⇒1. RAA系活性化2. TGF抑制(GFR維持

https://www.marianna-kidney.com/wp/wp-content/uploads/2019/06/TheAdvanced20190623.pdf

 

ネフローゼ症候群:血液中に含まれるタンパクであるアルブミンが大量に尿中に漏れ、血液中のタンパク(アルブミン)濃度が下がることで低タンパク血症の状態になり、その結果、全身に浮腫(むくみ)が起こる疾患です。アルブミンは血管の中に水分を引き込む作用があり、血流を維持するのに重要なはたらきをしています。血液中のアルブミンが低下すると、血管の中の水分が外に漏れ、皮下や臓器の外に溜まるため、足や顔がむくみ、高度になると肺や腹部、さらに心臓や陰嚢にも水が溜まります。

https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/nephrotic_syndrome/

 

利尿薬がアルブミンと結合して尿中に出るため、アルブミンに引きつけられるナトリウムも尿中に出、ナトリウムに引きつけられて水分も尿中に出ると考えられる。

しかし、利尿薬がアルブミンと結合して尿管へと出るため、アルブミンと結合して細胞内に取り込まれる亜鉛も尿中に排出されるということではないだろうか。

 

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ループ利尿剤(http://www.interq.or.jp/ox/dwm/se/se21/se2139005.html

【飲み合わせ・食べ合わせ

抗生物質の組織内濃度が上昇し、副作用が増強する可能性があります。とくにアミノグリコシド抗生物質による聴覚障害、セファロスポリン系抗生物質の腎毒性に注意が必要です。

心臓の薬のジギタリス薬と併用するときは、効きすぎによるジギタリス中毒に十分注意します。

気分安定薬のリチウム(リーマス)と併用するときは、リチウム中毒の発現に注意しなければなりません。

血糖降下薬のSU薬やインスリン注射薬の作用が弱まる可能性があります。

糖尿病治療薬のSGLT2阻害薬(スーグラ、ルセフィ、フォシーガ、アプルウェイ、デベルザ、カナグル)との併用により、利尿作用が増強するおそれがあります。また、メトホルミン(メトグルコ)と併用する場合は、乳酸アシドーシスの副作用に注意が必要です。

ステロイド薬やグリチルリチン製剤、一部の漢方薬と飲み続けるときは、低カリウム血症に注意します。

鎮痛薬との併用により、この薬の利尿作用が弱まる可能性があります。

飲酒は控えてください。めまいや立ちくらみがでやすくなります。

 

 

 

 

 

カルシウム拮抗薬と腸閉塞

カルシウム拮抗薬は,腸管の拡張による蠕動運動の低下1)や下部食道括約筋の収縮力低下2)など,腸管への影響が知られている.(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc1994/5/2/5_2_138/_pdf/-char/ja

 

カルシウム拮抗薬に加えてARB系の降圧剤を服用していると高カリウム血症となり、筋肉細胞内にカリウムが入れなくなるため、筋収縮がますます出来なくなると考えられる。

 

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カリウムが多すぎて細胞内に入れないと筋肉は弛緩したまま収縮せず、組織間に水分がうっ滞したままとなるのではないだろうか。

さらに、ブドウ糖の腸管からの吸収のためにはナトリウムが必要になるから、低ナトリウム状態ではエネルギーも造られにくくなり、組織間に溜まった水は排出されずに貯留することとなる。

(略)

ここで、カルシウムが足りていて十分な働きをすれば、心筋細胞にカルシウムが入り筋肉が収縮されうっ滞した血液が循環され始めると考えられる。