皮膚を作るためにはアミノ酸のリジンが不可欠ではないかと考えてリジンの多い物を摂るようにしていたのだが、果たしてそれで良かったのか?と改めて思って、検索をかけると美容系のサイトにはリジンがほとんど出てこない。
そこでコラーゲンを合成するためにはリシルオキシダーゼが不可欠だと思って調べると論文系のサイトにはやはり出てくる。
しかし私はこの酵素について「リシルオキシダーゼ」としか知らなかったのだが、「タンパク質-リシン-6-オキシダーゼ」としてウィキペディアには掲載されていた。
タンパク質-リシン-6-オキシダーゼ(protein-lysine 6-oxidase)は、次の化学反応を触媒する酸化還元酵素である。
ペプチジル-L-リシルペプチド + O2 + H2O ⇌ ペプチジルアリシルペプチド + NH3 + H2O2
反応式の通り、この酵素の基質はペプチジル-L-リシルペプチドとO2とH2O、生成物はペプチジルアリシルペプチドとNH3とH2O2である。
リシルオキシダーゼ
タンパク質-リシン-6-オキシダーゼともいう.ペプチド鎖のリシン残基のアミノ基のデアミナーゼ.分子状の酸素を基質の一つとする.側鎖はアルデヒドとなり,コラーゲンなどの架橋に寄与する.
これを見るとやはりコラーゲン合成のためにアミノ酸のリシンが必要であることが分かる。
コラーゲン線維の形成と成熟
Chouらは,鋼欠乏状態にした動物のコラーゲンも,BAPNの場合と同様な変化をおこすことを見出し,銅イオンがコラーゲン成熟に関与する反応に必須の因子であることを示している.
また、この論文からはコラーゲン合成に銅が必須であることが知らされる。
では、コラーゲン合成に必要なビタミンは何かというと、
vitamin C, アスコルビン酸(AsA)
コラーゲン合成では,プロリン,リシンが水酸化され,ヒドロキシプロリン,ヒドロキシリシンとなる翻訳後修飾の必須因子であり,欠乏症である壊血病はこの反応の障害に基づく.
https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3C
『ONE PIECE』に出てくる「壊血病」だよ〜、ビタミンC欠乏で。
コラーゲン合成不全ってことだよ〜、組織液が吹き出すのも!
ビタミンとミネラルは酵素と補酵素の関係にあって共に働くと思われるが、まとまって記されているということがほとんどないように思える。ビタミンというとビタミンだけ、ミネラルというとミネラルだけの記載に終わってしまっている。そしてそこにはアミノ酸が必ず関わっているはずなのだが、その全てを知るためには相当の情報収集と推理力が必要となる。
今回コラーゲン合成に関連して面白い文献を見つけた。
創傷治癒におけるリシルオキシダーゼ活性
以上,このような炎症性肉芽組織や創傷組織におけるリシルオキシダーゼの消長をながめると,口蓋裂の口蓋形成手術にあたり,骨膜を残存させる試みはきわめて合目的であり,また肉芽組織の過剰反応を抑制する試みとして,β-APNを用いたり,D-ペニシラミンを用いたり,高濃度の亜鉛を与えたりする方法も適用時期を考えれぽ臨床効果が大きいのではないかと推定される.これらの試みは,まだ実用の段階には至っていないが,今後さらに検討され,骨膜を扱う手術の改良,架橋阻害剤を利用した術後瘢痕やケロイドの治療の開発に,大きな期待を抱かせるものと考える.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjoms1967/27/9/27_9_1329/_pdf
「亜鉛」なのだ、やはり!
「亜鉛」が陰の立役者だと言える。
しかし、「適用時期」を考えるのが非常に難しい、と言える。
追記
亜鉛が様々な酵素を合成するために必要な栄養素だから、酵素が造られなければ、過形成やコラーゲン合成能が亢進されすぎると考えられる。