風の匂いの中に

『我らは神の中に生き、動き、存在する』(使徒言行録17:28)

酸化還元補酵素のビタミンKが増えすぎると・・?(リンクとメモによる考察)

1、ビタミンKは、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)により還元されビタミンKヒドロキノンになる[15]。

2、ガンマグルタミルカルボキラーゼがビタミンKヒドロキノンをビタミンKエポキシドに酸化して、同時にタンパク質中の特定のグルタミン酸残基をカルボキシグルタミン酸に修飾する。

3、生じたビタミンKエポキシドはVKORによってビタミンKに戻される。

これをビタミンKサイクルと呼び、このサイクルが常にビタミンKを再生するのでビタミンKは欠乏しにくい。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

これを読んで思ったのは、「ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)」を合成する栄養素が途中で不足すれば、ビタミンKは還元型かあるいは酸化型のどちらかに留まったまま蓄積するのではないか、ということであった。

 

ピロロ・キノリンキノン(PQQ =Pyrroloquinoline quinone)は酸化還元反応に関与する電子伝達体です。1964年にJ.G. Haugeらにより、細菌のグルコース脱水素酵素に含まれるニコチンアミドとフラビンに次ぐ3番目の酸化還元補酵素として見出されました。PQQ必須アミノ酸であるリジンの分解に関わる酵素を助けています。PQQを含まない餌を与えたマウスは、成長が悪く、皮膚がもろくなり、繁殖能力が減少します。

ちなみに脂溶性ビタミンのビタミンKはキノイドの一つです。天然のものはビタミンK1(フィロキノン)とビタミンK2(メナキノン類)があります。
ビタミンK1は植物の葉緑体で生産され、ビタミンK2は腸内細菌から生産されます。これらは血液凝固や丈夫な骨づくりに不可欠です。

このようにキノンは生物学的に重要な物質です。キノンは光合成の光化学系I・光化学系II などの電子伝達系において、電子受容体としての働きをしています。光化学系I には2対のフィロキノン、光化学系II には2対のプラストキノンが存在します。http://levin2018.xsrv.jp/wp/%E3%83%81%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E6%8A%97%E9%85%B8%E5%8C%96%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%81%8C%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B/

 

うちで、ナイアシンを摂り過ぎて心不全に至ったように、ビタミンKも摂り過ぎることで不具合を起こすのではないかと思える。とりわけ溶血性貧血では、赤血球の酸化がビタミンKの蓄積に関連しているように思われる。

ビタミンK1とK2の過剰症はほとんど起こることはない。しかし、新生児では溶血性貧血や核黄疸、成人では呼吸困難や貧血が生じる場合もあるとされる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p152)

 

溶血性貧血:赤血球の破壊によって起きる貧血の総称。赤血球は不飽和脂肪酸の膜で覆われており、活性酸素によって酸化すると赤血球膜が破れて赤血球が破壊され、貧血を引き起こす。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p149)

 

また、「ピロロ・キノリンキノン(PQQ)は必須アミノ酸であるリジンの分解に関わる酵素を助けています」と記されていることから、リジンとビタミンKの摂取量が関連すると考えられる。

リジンは、コラーゲンを形成する銅要求酵素リシルオキシダーゼによって脱アミノ化される大元で必要なアミノ酸である。ここで、リジン、ビタミンK、銅が関連付けられるように思われる。

 

通常、血管に傷がつくと、傷ついた部位のコラーゲンが露出し、その部分にフォンビルブランド因子(vWF)が結合する。そこに血小板がGP1b・GP2b/3aといった糖タンパク質を介して結合(血小板の粘着)、それにより血小板は活性化し、ホスホリパーゼCの活性化を介したアラキドン酸カスケードを進行させて血小板のさらなる凝集を促進、一次止血が完成します。

(略)

血液凝固反応は、血小板による一次止血で終わるわけではありません。外因系と内因系の2経路で血液凝固因子による二次止血がその後に起こります。

(略)

内因系の凝固反応は、プリカリクレイン、高分子キニノーゲン、ⅩⅡ因子やⅩⅠ因子といった接触因子が、主にコラーゲンのような陰性荷電物質に接触することで活性化され、その後のⅨ因子、Ⅷ因子の活性化から、Ⅹ因子を活性化し、それ以降は外因系と同じ経路にて凝固反応を進行させる。(https://kanri.nkdesk.com/drags/kesen.php

 

また、血液凝固反応ではグルタミン酸が重要となる。

γ-カルボキシグルタミン酸リッチ(gamma-carboxyglutamic acid-rich、Glaドメインには、多数のγ-カルボキシグルタミン酸残基が存在している。Glaドメインは10を超える既知のタンパク質に存在しており、第VII因子、第IX因子、第X因子、プロテインC、プロテインS(英語版)、プロテインZ、プロトロンビン、トランスサイレチン(英語版)、オステオカルシン、マトリックスGlaタンパク質(英語版)(MGP)、ITIH2(英語版)(inter-alpha trypsin inhibitor heavy chain H2)、GAS6(英語版)(growth arrest-specific protein 6)などが含まれる。Glaドメインはカルシウムイオンに対する高親和性結合を担う。カルシウムへの結合はタンパク質の機能に常に必須であり、多くの場合で立体配座の維持にも必須である[3]。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%CE%93-%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%9C%E3%82%AD%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3%E9%85%B8

 

アミノ酸、ミネラル、ビタミン、エネルギー源となる糖質、脂質、水。

これらの栄養素が過不足なく摂取されることで生体は保たれていると言える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビタミンEとビタミンKの働きは真逆のように思える(思考途中のメモ)

ビタミンE

赤血球膜脂質を酸化から守り、溶血性貧血を防ぐ。

過酸化脂質の生成を抑制するビタミンEの作用は、たいへん重要です。血液中を運ばれるコレステロールも脂肪の膜でおおわれています。酸化されれば過酸化脂質ができ、血管壁にこびりついて、動脈を硬化させます。血管壁の細胞膜が損なわれても、動脈硬化はおこりやすくなります。こうして血流が悪化し、心筋梗塞脳卒中を招きます。過酸化脂質の害は、肝臓、肺などあらゆるところに及びます。

ビタミンEは過酸化脂質を分解することで、血液中に粘度のある物質が流れ出すのを防いで血行をよくします。

過剰症 大量摂取すると血が固まりにくくなる(米国科学アカデミー)。サプリメントから摂取する場合は許容上限摂取量以下に。

(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

 

ビタミンK1とK2の過剰症はほとんど起こることはない。しかし、新生児では溶血性貧血や核黄疸、成人では呼吸困難や貧血が生じる場合もあるとされる。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p152)

 

溶血性貧血:赤血球の破壊によって起きる貧血の総称。赤血球は不飽和脂肪酸の膜で覆われており、活性酸素によって酸化すると赤血球膜が破れて赤血球が破壊され、貧血を引き起こす。(川端輝江=編著『しっかり学べる!栄養学』p149)

 

血管組織が損傷を受けると、組織から組織因子(TF=Ⅲ因子=組織トロンボプラスチン)が遊離し、Ⅶ因子と会合して、直接Ⅹ因子を活性化する(組織因子の下図が少ないとⅨ因子の活性化から進む)。これが外因系のスタートになる。(https://kanri.nkdesk.com/drags/kesen.php

 

 

過酸化脂質は活性酸素によって生じる。しかし、・・

大気中には、約20%の酸素が含まれており、生物はこの酸素を利用し生命活動を維持しています。酸素は、外部からの様々な刺激を受け、反応性の高い活性酸素に変化します。活性酸素は、細胞伝達物質や免疫機能として働く一方で、過剰な産生は細胞を傷害し、がん、心血管疾患ならびに生活習慣病など様々な疾患をもたらす要因となります。そのため生体内には、活性酸素の傷害から生体を防御する抗酸化防御機構が備わっていますが、活性酸素の産生が抗酸化防御機構を上回った状態を酸化ストレスといいます。

(略)

活性酸素は、過剰な産生あるいは酸化ストレスによる老化、がん、生活習慣病発症との関連が注目されがちですが、白血球から産生される活性酸素(スーパーオキシド・過酸化水素など)は、体内の免疫機能や感染防御の重要な役割を担います。また細胞間のシグナル伝達、排卵、受精、細胞の分化・アポトーシスなどの生理活性物質としても利用されています。したがって、活性酸素を消去すれば良いという安易な考え方は禁物です。

活性酸素が、生体内で常に産生されるにも関わらず、我々が体内の恒常性を維持できるのは活性酸素から自己を防御する抗酸化防御機構が備わっているからです。抗酸化防御機構は、活性酸素の産生を抑制したり、生じたダメージの修復・再生を促す働きを有しています。

生体が有する抗酸化防御機構には、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼなどの内因性の抗酸化酵素に加え、ビタミンC、ビタミンE、カロテノイド類、カテキン類など外因性の抗酸化物質もあります。実際には、活性酸素の産生と抗酸化防御機構が複雑に作用し合いながら生体内の活性酸素の産生と抗酸化防御機構の状態が決まります。(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-04-003.html

 

過酸化脂質がたくさんできると、ビタミンEの抗酸化作用も追いつきません。そこで、EといっしょにとってほしいのがビタミンCです。Cには独自の抗酸化作用がありますが、Eの抗酸化作用を高めるのも仕事のうちです。β-カロテン、ビタミンB2、セレンもそれぞれの持ち場で酸化による害を防いでいますから、併せてとりましょう。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

 

ここに、「それぞれの持ち場で」と記されているのだが、ビタミンEは抗酸化の最終段階で働くもののように思われる。それが、先に作用してしまうと、ウイルスの侵入に対して免疫反応を起こさなくてはならない場合には不具合が起こると言えるように思う。

発熱によって戦おうとしている時に、発熱を促す過酸化水素を消去するグルタチオンペルオキシダーゼを合成するセレン等を摂っては戦えなくなる。

しかし、発熱が長引いて活性酸素等によって細胞傷害が起こる場合は活性酸素を消去しなければならない。

また、活性酸素等によって血管組織が損傷を受けた時などには生体は血液を凝固させて修復しようとする。この時に必要なのがビタミンKだと言えるのではないだろうか?

meromeropy77.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビタミンKは血液の凝固作用にも抗凝固作用にも関わっている(覚書として)

通常、血管に傷がつくと、傷ついた部位のコラーゲンが露出し、その部分にフォンビルブランド因子(vWF)が結合する。そこに血小板がGP1b・GP2b/3aといった糖タンパク質を介して結合(血小板の粘着)、それにより血小板は活性化し、ホスホリパーゼCの活性化を介したアラキドン酸カスケードを進行させて血小板のさらなる凝集を促進、一次止血が完成します。

こうした血小板の凝集は、傷を修復するのには大切な反応なんですが、血小板が山のように凝集して血液の通り道を邪魔してしまえば、脳梗塞心筋梗塞などの梗塞疾患を引き起こします。

 

(略)

 

血液凝固反応は、血小板による一次止血で終わるわけではありません。外因系と内因系の2経路で血液凝固因子による二次止血がその後に起こります。

 

(略)

 

vWFを介して接着した血小板は、活性化血小板となると膜上に陰性荷電を持つリン脂質を露出させる。

そこをめがけて各種の血液凝固因子(上表)が集まって、リン脂質上にて血液凝固反応が進行する。実際に血小板の膜リン脂質へ結合できるのはGlaドメインを持つ凝固因子、すなわちビタミンK依存性凝固因子であり、これらの凝固因子は同時にCa2+を結合できる部位を持つ赤字表記はメロメロピーによるメモ)

 

(略)

 

血管組織が損傷を受けると、組織から組織因子(TF=Ⅲ因子=組織トロンボプラスチン)が遊離し、Ⅶ因子と会合して、直接Ⅹ因子を活性化する(組織因子の下図が少ないとⅨ因子の活性化から進む)。これが外因系のスタートになる。

 

(略)

 

内因系の凝固反応は、プリカリクレイン、高分子キニノーゲン、ⅩⅡ因子やⅩⅠ因子といった接触因子が、主にコラーゲンのような陰性荷電物質に接触することで活性化され、その後のⅨ因子、Ⅷ因子の活性化から、Ⅹ因子を活性化し、それ以降は外因系と同じ経路にて凝固反応を進行させる。組織因子非依存の凝固機序である。

内因系のⅩⅠ因子とⅧ因子は、先の外因系によるトロンビン生成の増幅反応により更に活性化、これにより凝固反応は30万倍加速される。

 

(略)

 

凝固抑制系の中核を担うのは、血管内皮細胞上のグルコサミノグリカン(ヘパラン硫酸)に存在する、TFPI(tissue factor pathway inhibitor)、AT(アンチトロンビン)、や血管内皮細胞上のTM(トロンボモジュリン)である。(略)

TFPIはK1、K2、K3ドメインを持ち、K1とⅦa因子が、K2とXa因子が結合することで両者を阻害する。さらに、プロテインSがTFPIのK3ドメインを介して結合し、APC(活性化プロテインC)非依存に抗凝固作用を約10倍促進する。

 

(略)

 

トロンビンの生成を示す指標としてTATがある。生体内の恒常的に存在するTATは0ではない。

生体内では組織外傷非依存的にⅦ因子が常に若干活性化されている状態であり、微量なトロンビンが常に作られている。

 

(略)

 

ワーファリンはビタミンKに拮抗することで、上で出てきた四つの血液凝固因子(Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子:水色の文字)を抑制してしまうため、Ⅶ因子阻害による頭蓋内出血のリスク(脳内にTFが多いため)や他の凝固因子阻害による他の出血のリスクも高めてしまいます。

プロテインCやプロテインSといった凝固抑制因子も阻害してしまう。

そのため、ワーファリンでは、プロトロンビン時間という血液が固まるまでの時間と、それを指数化したPT-INRを用いて、大体1.6~3.0(通常は2.0前後)に調整することで出血リスクを管理します。

ワーファリンは投与5日目くらいまでは血栓ができやすいのと、ビタミンKで中和後、もとに戻すのに1週間はかかる。

納豆、青汁、クロレラの同時摂取はワーファリンの作用を減弱させるので禁忌。市販の整腸剤に含まれる糖化菌の一つ納豆菌も禁忌。(https://kanri.nkdesk.com/drags/kesen.php

 

この記述から、ビタミンKは血液の凝固作用にも抗凝固作用にも関わっていることが分かる。

 

 出血時に血が止まるのは、血液を凝固させるはたらきがあるからです。ビタミンKもそのひとつで、血液凝固因子の合成にはたらきます。ふだんは血液の凝固を抑える成分が作用しています。この成分の合成にもビタミンKが必要です。血液を凝固させたり抑制したり、作用の裏と表にかかわってうまくバランスをとっています。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

 

1、ビタミンKは、ビタミンKエポキシド還元酵素(VKOR)により還元されビタミンKヒドロキノンになる[15]。

2、ガンマグルタミルカルボキラーゼがビタミンKヒドロキノンをビタミンKエポキシドに酸化して、同時にタンパク質中の特定のグルタミン酸残基をカルボキシグルタミン酸に修飾する。

3、生じたビタミンKエポキシドはVKORによってビタミンKに戻される。

これをビタミンKサイクルと呼び、このサイクルが常にビタミンKを再生するのでビタミンKは欠乏しにくい。(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

けれど私のように、子どもの頃から、ビタミンKが含有されずビタミンEの多い魚を食べている者は、EがKの働きを阻害するのでK不足に陥るのではないだろうか?

 

ビタミンEがビタミンKの働きを阻害する(https://ipidiw.co.jp/nutrition/vitamink.html

 

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亜鉛と銅以外にもう一つスーパーオキシドディスムターゼを合成して熱を産生する栄養素、マンガン!

「発熱」には亜鉛だけでなく銅も関わっている - 風と、光と・・・でまとめたように、病原体にたいする免疫反応によって過酸化水素が産生されることによって発熱が起こる。

この過酸化水素は、先ず体内で合成されたスーパーオキシドがスーパーオキシドディスムターゼによって消去されることで生成される。細胞質のスーパーオキシドディスムターゼは亜鉛と銅を活性中心に持つが、ミトコンドリアではマンガンを活性中心に持っているとされている。

 

インフルエンザは個々の症状に合わせて診断します(『まいにち漢方』より)でリンクしたツイートの中に、漢方医麻黄湯のタイミングは熱が出る前の悪寒があるとき。麻黄湯は子供が好んで飲むように、シナモンが効いてとても美味しい」というものがあった。

 

シナモンについては、風邪の引き始めに、シナモンでも、「おそらくマンガンミトコンドリアで熱を発生させ体温を上げるのだと思われる」と書いたのだが、やはりそうだったように思う。

ジル・デイヴィーズ=著『スパイスの秘密』にも、「セイロンシナモンとカシア」の項に「風邪やインフルエンザ患者の体を温める」と記されている。しかし、この本には以下のような<警告>も記されている。

警告 最近の研究で、カシアを頻繁に摂ると、抗凝血作用のあるクマリンの摂取過剰になり、肝臓や神経系に障害が生じることが明らかになっている。(ジル・デイヴィーズ=著『スパイスの秘密』2019年6月21日初版第1刷発行(西村書店)より)

 

関連過去記事

  ↓

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リゾチームと免疫グロブリンIgA、亜鉛とリジンについての覚書

 亜鉛を必須成分とする酵素は200種以上もあります。
(略)
 味覚障害の原因に、亜鉛不足が指摘されています。味を感じとるのは舌にある味蕾という器官です。味蕾は成人で約3000個あり、老化すると減少します。数の減少が必ずしも味覚の低下につながらないのは、年をとるほど味の経験を積んでいるためです。老化によるものではなく、「味を感じない」という味覚障害が若い人にみられます。はっきりしたメカニズムは解明されていません。たぶん、耳下腺から分泌される唾液中に亜鉛を含むタンパク質があり、味蕾のはたらきに影響を与えるためと考えられています。(中村丁次=監修『栄養成分バイブル』)

 

リゾチームは,人の鼻汁,涙液,血清などの中に,ある種の細菌に対し溶菌現象を起す物質として発見された。リゾチームは,分子量14,062,アミノ酸129個からなるムコ多糖類を加水分解する酵素でそのほとんどが好中球,単球および組織マクロファージ由来(リソゾーム酵素の一つ)ある。リゾチームは,生体のほとんどあらゆる組織,体液あるいは分泌物中に存在し,抗菌・抗ウイルス作用,白血球貧食能増強作用,抗腫瘍および抗炎症作用などの生体防御機構への関与が考えられる。https://test-guide.srl.info/hachioji/test/detail/000431102

 

粘液には、リゾチーム、インターフェロンやIgAなどが含まれ、1日に約30ml/㎡分泌される。気道液の固体成分は微量で約95%は水である。小さなホコリは、この粘液に触れて捕らえられる。(『目でみるからだのメカニズム』p35)

 

唾液の成分・・・pH約7.0でほぼ中性。99.5%は水、他にプチアリン(α-アミラーゼ)、ムチン(粘素)と抗菌作用のあるリゾチームや免疫抗体のIgAなどを含む。(p64)

 

免疫グロブリン
IgA  喉の表面、腸の内側、気管支の内側の壁などの粘膜の表面に存在し、侵入してきた病原菌やウイルスなどの侵入を防ぐ働きに関与しています。http://chuo.kcho.jp/original/clinicallabo/kentai/menekiguroburin.html

 

リジンは「細菌やウイルスに対する抗体、ホルモン、酵素をつくる」(『栄養成分バイブル』)

 

リジン ウイルス感染を抑えるはたらきがある。とりわけ帯状疱疹口内炎などの原因となるヘルペスウイルスの成長と再発を妨げる効果は大きい。胃液の分泌を促し、筋肉の収縮やけいれんを抑える。(生田哲=著『心の病は食事で治す』p124)

 

 

亜鉛は、リゾチームやIgAの合成にも関わっているだろう。

気管に侵入する手前の、鼻腔や口腔でのウイルス感染を防ぐためにも亜鉛やリジンなどの栄養素が必要だと思われる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系についてのメモ

血管平滑筋の収縮・拡張にかかわるホルモン性調節は、神経性調節より長時間にわたって血圧をはじめ血液量まで変えます。このホルモンにはA副腎髄質ホルモン(ノルアドレナリン、アドレナリン)、Bレニン・アンギオテンシン系、C下垂体後葉のバゾプレシンなどがあります。

Aは、平滑筋細胞受容体のタイプによって、収縮、弛緩のいずれの作用もし、BやCは、収縮作用をもっています。中でも、血液循環に大きな意味をもっているのは、Bレニン・アンギオテンシン系です。レニンは、腎臓の糸球体旁装置の細胞から分泌され、それ自身は血管に対する作用をもっていません。しかし、レニンは血中のアンギオテンシノーゲン(レニン基質)に働いて、アンギオテンシンⅠといわれる物質を産生します。そして、これが肺、脳や腎臓などに分布するアンギオテンシン変換酵素(ACE)によって、アンギオテンシンⅡになると、強力な血管収縮作用をもち、血管抵抗を高め、血圧を上げます。このアンギオテンシン変換酵素の働きを阻止する物質は、現在、高血圧の治療に用いられています。(『目でみるからだのメカニズム』p51)

 

腎臓は血圧の変化に極めて敏感な臓器です。腎動脈の血圧が低下すると糸球体濾過圧が低下し、尿の生成ができません。このため腎動脈の血圧が低下すると、輸入細動脈璧にある圧受容体を介して、糸球体旁細胞がレニンという物質を分泌します。また、遠位尿細管内液のNa+が低下すると、緻密班の細胞がこれを感知し、近接する糸球体旁細胞に働いてレニンの分泌を促します。

レニンは、一種のたん白分解酵素で、血中にある肝臓で作られたアンギオテンシノーゲンを、アンギオテンシンⅠに変えます。アンギオテンシンⅠは、肺、脳や腎臓にあるアンギオテンシン変換酵素の働きで、アンギオテンシンⅡとなります。このアンギオテンシンⅡは、血管を収縮し血圧を上昇させます。また、アンギオテンシンⅡは、副腎皮質からアルドステロンというホルモンの合成を促進する働きがあります。このホルモンは、遠位尿細管や集合管からのNa+の再吸収と、K+の排泄を促進します。その結果、水がNa+の再吸収に伴ってより多量に再吸収され、体内の水分量が増え、血圧をさらに高めることになります。このように、アルドステロンは、後述の抗利尿ホルモン(ADH)とともに、体内の水分量の調節も担っています。腎不全でこれらの調節作用が侵されると、体内に水分がたまってむくみ(浮腫)を起こす一因となります。

レニン・アンギオテンシン・アルドステロン系は、腎性昇圧系と呼ばれます。これに対し、血管を拡張し血圧を下げる腎カリクレイン・キニン系や腎プロスタグランジン系があって、血圧が調節されると考えられています。(p99)

 

わたしたちの体の中の細胞には、新型コロナウイルスが、効率よく侵入できる分子的な仕組みがある。細胞への“入り口”として使用される「ACE2」受容体と、たんぱく質の分解酵素である「TMPRSS2」「FURIN(フーリン)」である。

ウイルスはまず、表面にある突起状のスパイクたんぱく質を、宿主細胞のACE2受容体にぴったりと結合させる。すると、細胞膜にあるたんぱく質の分解酵素「TMPRSS2」や「FURIN」が、ウイルスのスパイクたんぱく質を適切な位置で切断し、ウイルスと細胞の融合を助ける。

かくしてウイルスは細胞内に侵入して遺伝物質(RNA)を注入し、わたしたちの細胞を“工場化”してウイルスを大量に自己複製させられるようになるのだ。 

COVID-19の患者のなかでも高血圧の人が重症化しやすい理由のひとつに、ACE2が血圧を調節するために重要な受容体であることが挙げられている。ウイルスが先に侵入してしまうと、その役目を果たせなくなるのだ。(https://wired.jp/2020/04/19/covid-19-mechanism/

 

以下の考察には間違いが含まれています。(ACE2とアンギオテンシンⅡをごちゃ混ぜにしてしまっている)

ACE2が血圧を調節するために重要な受容体である」というより、ACE2は血圧を上げるための受容体ではないか?

本当に、ウイルスが先に侵入することで血圧を調整することができなくなるのだろうか?

むしろ、ウイルスが受容体に先に結合することでアンギオテンシンⅠがアンギオテンシンⅡに変換されて血圧を上げるのではないだろうか?

 

以下、後載せツイート

 

 

ビタミンDとレニン - 風と、光と・・・

第777回 血圧コントロールと栄養 その5 「臨床栄養士のひとり言」(https://nutmed.exblog.jp/11012618/

上にリンクさせて頂いた「臨床栄養士のひとり言」さんのサイトに、「レニンは何らかの理由で血圧が低くなると分泌されるホルモンで、レニンが分泌されることによって、体液の量が増え血圧は上昇しはじめます。ビタミンD(活性型ビタミンD)にはこのレニンの働きを抑える作用があり、不用意な血圧上昇を抑制してくれます」と記されている。
レニンは、レニン・アンギオテンシン系の初っ端に位置する内分泌ホルモンであって腎臓細胞から分泌される。これが分泌されるのが、血圧が低くなった時だと記されていたのである。ビタミンDがこのレニンの働きを抑える、と記されている。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進させる働きもしているので、ここから考えられるのは、ビタミンD不足、あるいはカルシウム不足によって血圧が低下した場合にレニンが分泌されて、レニン・アンギオテンシン系が働き血圧を上げるということではないだろうか。

 

 

 

myrtus77.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

アセチルコリンとグルタミン酸、ビタミンKについてのリンクとメモによる覚書

なお、副交感神経は、その終末から放出されたアセチルコリンが、アセチルコリン受容体に作用して、血管平滑筋を弛緩させ、血管を拡張させます。骨格筋には、交感神経性の血管拡張神経があり、運動開始直後に血管拡張がみられ、筋血流が増大しますが、これはアセチルコリンの作用です。(『目でみるからだのメカニズム』p51)

 

海馬の神経伝達・シナプス可塑性・記憶機能におけるグルタミン酸アセチルコリンのクロストーク

https://www.jstage.jst.go.jp/article/sjpr/56/2/56_310/_pdf

これまで,アセチルコリングルタミン酸を伝達物質とするシナプスの可塑性に対して,おもに長期増強の誘導閾値を下げるなどの調節的な役割を担っていると考えられてきたが,より主体的にシナプス可塑性を引き起こす作用があることも示されてきており,学習・記憶に大きな影響を与えることが考えられる。

 動物が自発的に行動している際,リズミカルなオシレーションが海馬から記録される(Vanderwolf, 1969)。このオシレーションは“シータリズム”と呼ばれ,中隔からのアセチルコリン入力とGABA入力によって駆動される(Goutagny et al.,2008; Stewart &Fox, 1990;Yoder &Pang,2005)。このシータリズムが中隔破壊により失われると空間学習は障害される(Winson, 1978)。さらに,海馬内のアセチルコリン濃度上昇が,オペラント行動の獲得時に観察される一方でオペラント行動の再生時には見られず(Orsetti,Casamenti,&Pepeu, 1996),
またアセチルコリン放出の増大は,動物が親和性のある環境から新規な環境に移った際や新規刺激を受容した際に生じる一方で,この増大は新規刺激に馴化する際には減少する (Acquas,Wilson, &Fibiger,1996)。このことから,アセチルコリンは記憶の想起よりも獲得に関与しているというモデルが提唱された(Barry, Heys, & Hasselmo,2012)。

(略)

アセチルコリンの作用は非常に多岐にわたることが示唆される。このような多岐にわたる作用は,ムスカリン受容体とニコチン受容体という2つのタイプの受容体がそれぞれ作用の異なるいくつかのサブタイプを持ち,またグルタミン酸を伝達物質とする興奮性シナプスだけではなく抑制性ニューロンやアストロサイト上にもこれらの受容体が発現しているために生じていると考えられる。

 

アセチルコリン受容体 http://www-yaku.meijo-u.ac.jp/Research/Laboratory/chem_pharm/09jugyou/6.%20aminosan.pdf

 

学習・記憶におけるシナプス可塑性の分子機構
2.シナプスグルタミン酸受容体
3.シナプス可塑性とグルタミン酸受容体
http://www.jbsoc.or.jp/seika/wp-content/uploads/2013/05/83-11-03.pdf

 

ビタミンK1(フィトナジオン)の静脈注射では、稀にアナフィラキシー様の反応が起こることが報告されている[71]。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%82%BF%E3%83%9F%E3%83%B3K

 

meromeropy77.hatenablog.comビタミンK過剰でグルタミン酸欠乏となり、呼吸困難となると考えられないだろうか?

 

meromeropy77.hatenablog.com